第一部
第一章
第四話『高尚な我が願い』
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原の方のようね。先程は有り難う。お名前をお聞きしても宜しいかしら?」
真理 「私は御悟真理。見滝原の二年で、こっちの暁美ほむらとは同じクラスさ。」
真理はちょっと浮き足立っていて余計な事まで言ったのだが、自己紹介なんてしたくもなかったほむらにとっては幸便だった。
麗子 「暁美さん…。私のお父様の御友人にも、そのような御名前の方がいらしたと思ったけれど…」
ほむら「いえ、私とは無関係です。」
ほむらは妙に断定的に即答した。
麗子 「あの、不躾ですけど、そちらの魔法少女のお二人もこの位のお部屋で一人暮らしをなさっているのかしら?」
真理 「いや、ほむらはもっと一般的な2LDK程のマンションで一人暮らしをしているよ。」
真理がそう言うと、ほむらはなぜあなたがそんな事を知っているの!≠ニばかりに真理を睨んだ。真理はほむらの事をストーキングしていた事が自分の失言でばれてしまう事を恐れ、慌てて言葉を続けてごまかした。
真理 「ちなみに私はまだ魔法少女になったばかりなんで親と一緒に暮らしているよ。日頃の行いが善いので両親の信頼が厚く、少々の事では咎められたりはしないので不自由は無いんだ。でもまあその内、一人暮らしをせざるを得ないんだろうがね。」
麗子 「魔法少女は一人暮らしをせざるを得ないのですか?」
真理 「そりゃ魔獣って奴は主に夜出るからね、こっちも必然的に活動は夜になる。さすがに我々のような年齢の女子が、夜間外出を頻繁に行うにはそうするしか無いだろう。」
麗子 「でもご両親は簡単に一人暮らしをお許しにならないのでは?」
真理 「その辺りの事は全てキュゥべえがやってくれるんで問題ないよ。必要なら家族から自分の記憶を消して、いなかった事にすら出来るらしいんでね。」
麗子 「えっ!?」
その時、綺麗な姿勢で正座をしている麗子の膝の上に置かれた両手の拳が、ギュッと握り締められた。
その話には翠も聞き入っていた。
麗子 「生活費用はどうなさって?それもキュゥべえと言う方が支給して下さるの?」
真理 「方って程のモノじゃないけど、カードを支給されたよ。いわゆるクレジットカードってヤツをね。なっキュゥべえ。」
真理はキュゥべえに目をやって話を振った。キュゥべえは面倒臭そうに立ち上がり、仕方なさそうに麗子に向かって言った。
キュゥべえ「僕がキュゥべえだよ。君に分かり易そうに言うと、別の星からやって来た宇宙生物なんだ。」
それを聞いて、ほむらは強い違和感を覚えた。何時ものキュゥべえと明らかに言い方が違っていた。ひょっとすると、この日富麗子には魔法少女になる資格は無いのではなかろうか。それにしてもこの麗子の泰然自若ぶりはなんであろうか。
麗子 「そう。随分かわいらしい宇宙生物さんでいらっしゃるのね。」
麗子はキュゥべえの事を
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