第一部
第一章
第四話『高尚な我が願い』
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おめーは昨日の覗き野郎じゃねえかよ。」
真理 「野郎とは君も失敬だな。だがまあいいだろう。それにしても、まさか本当に魔法少女なんてものがこの世に存在しようとはね。しかし自分のこの目で見てしまったのだから信ぜざるを得まい。」
真理はほむらの方を見ると、不敵な笑みを浮かべて高らかに言い放った。
真理 「さあ、インキュベーターよ!この私が魔法少女になってやる。だから私の願いを叶えるがいい!」
?
ほむらは真理の事をよく知らなかった。クラスメイトではあるのだが、そもそもほむらは他人との係わり合いを極力避けていたし、ましてやあのタイプとは反りが合いそうにもないので近付こうとも思わなかった。それでもほむらは言わずにはいられなかった。
ほむら「確か…御悟さんだったわね。止めておきなさい、魔法少女はあなたが思っているようなものではないのよ。」
真理はほむらが自分の名前をしっかり覚えていない事が癪だった。自分はほむらの事をこんなにも意識しているというのに…。
真理 「へー、まるで君には私がそれをどう思っているのか分かっているみたいな言い種をするじゃないか。それとも魔法少女って奴は他人の考えが読めるとでも言うのかな?だったら益々ならない訳にはいかないねぇ。」
ほむらはやや諦め顔になった。キュゥべえは近くの石柱の上に飛び移った。
真理 「ではキュゥべえ、宜しいかな?」
キュゥべえ「勿論さ。さあ、君は一体どんな願い事と引き換えに魔法少女になってくれるんだい。」
真理は大きく深呼吸してから言い放った。
真理 「私はこの世の隠された摂理が知りたい。この宇宙の深淵に潜む真実を得たいのだ。どうだインキュベーター、そのような高尚な我が願い、お前に叶えられるか。」
真理は腕を組んで反り返って見せた。暫しの静寂が訪れた。
真理 「おい、何も…」
真理がその僅かな間に堪えかねて声を出した時、真理の全身に激痛が走り著しいまでの悪寒が満ち溢れた。それは全くの未知の体験であったが、死を感じさせるものであった。真理は先程までとは打って変わり、小さく前屈みに体を強張らせブルブルと震えながら辛うじて立っていたが、最後には崩れるようにその場にへたり込んでしまった。
翠はそれを見て助けに行くべきかと思ったが、他の魔法少女の三人が全く動じていない様子を見て、自分がしゃしゃり出るような事は差し出がましいと考え静観する事にした。
真理は四つん這いになって大きく息をして苦しそうに見えたが、徐々に落ち着いて来ているようにも見えた。
キュゥべえ「おめでとう、御悟真理。君の祈りはエントロピーを凌駕した。さあ、その新しい力を解き放ってごらん。」
キュゥべえにそう言われた真理は四つん這いのまま顔だけを上げ、酷く恨めしそうな表情を見せた。しかしすぐに立ち上が
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