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SECOND
第一部
第一章
第二話『人魚姫なんて大嫌いなのに・・・』
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なんて人に話せただけで半分解決してるようなものだって言うじゃん。案山子にでも話すつもりで、その悩みってぇのを言ってみ。ちったーすっきりすっぜ。」
 さやかは杏子の方を向いた。
さやか「実はさ、私の親友が私の幼馴染の男の子に告白するって言って来たんだ。」
 杏子には何となく聞き覚えのある話だった。
杏子 「なるほど。で、さやかもその幼馴染が好きだったと。」
さやか「それが…自分でもよく分からなくってさ…でも、今思うとそうなのかなって…」
杏子 「まあ、よくある話だよな…。でもそれなら簡単じゃねえか。さやかもその子に告白して、彼の方にどっちにすっか決めさせればいいだけの事よ。簡単、簡単。」
 さやかは机を叩いた。
さやか「簡単じゃないよ。だって…だって…もう、私は人間じゃないんだもん。年も取らないし、戦いで死ぬかもしれない。そんな者が恭介の相手を出来る訳ないじゃない。仁美が…私の親友の仁美が恭介と付き合ってくれんなら、むしろ私にしてみれば都合が良いんだよ…その方が恭介の為なんだよ…」
 杏子は腕を組んで目をつむり、天を仰いだ。
杏子 「でもよー、さやか。人間だろうが魔法少女だろうが、自分の人生に変わりはねえんだぜ。だったら、欲しい物は奪い取ってでも手に入れるべきなんじゃねえか。」
さやか「私が…私が欲しいのは…恭介の幸せだもの…だから、仁美の方がいいんだよ…きっと…」
 そしてまた、さやかは俯いて黙りこんだ。杏子はそのままの姿勢で暫く考え込んだ。そして呟くように言った。
杏子 「そうか…つれーよな、それは…」

  ?

 杏子は人気の無い所にある公衆電話ボックスの中に立つと、マミから渡された紙を広げ、そこに記された番号に掛けた。
杏子 「あっ、マミか?・・・ああ私だ、杏子。ちょっと聞きたい事があってさ、いいか?・・・実はさやかの事なんだけどよ。さやかの友達の事って分かるかな?・・・そう、多分同じ学校の。・・・えっ、あのほむらってのがさやかと同じクラスなの?・・・そうか、分かった。じゃあ悪いんだけどよ、ほむらの連絡先って教えてくんねえか。・・・うん、ありがとよ。じゃあ。」
 フ〜ウ
 杏子は大きく一つ息を吐いた。今度はマミに教えて貰った番号に掛ける。
杏子 「ああ、ほむらか?・・・杏子だ、佐倉杏子。分かんだろ?・・・そうだよ、その魔法少女のだよ。・・・ああそうだよ!その明治生まれのだよ!・・・実はさやかの事で聞きたい事があってさ。・・・いや、そんな事じゃなくって。・・・だから違うって!・・・さやかの友達の事でさ、ちょっと。・・・そうはいかねーからおめーに電話してんだろうが!・・・分かったよ!悪かったなあ。・・・なあ、ほむら。仁美って知ってるか?・・・それは私も分かんねーんだけどよ。・・・それはそうだろうけどよ!さ
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