第一部
第一章
第二話『人魚姫なんて大嫌いなのに・・・』
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か。私達はもう、年を取る事は無いのよ。」
唖然とするさやかの後ろから、さやかの両肩に手を乗せてマミが顔を出して来た。
マミ 「そうよ、さやか。私達魔法少女は不老なのよ。戦いで死にでもしない限り、永遠に生きていられるのよ。嬉しいでしょ。」
だが、ほむらが付け加える。
ほむら「そうね。私達は死にでもしない限り、永遠に戦い続けなけれならない無間奴隷のような存在なのよね。」
マミ 「もう、ほむらったらネガティブさんなんだから。大丈夫よ、さやか。普通に中学生を何度もやっていればいいだけの事よ。将来の心配とかしなくていいの。魔法少女としての義務だけ負っていれば、それなりの生活が出来るのよ。」
さやかはもう堪らないとばかりに、マミに尋ねた。
さやか「マミさん!…マミさんって恋愛とかした事ありますか…」
マミ 「えっ!?」
マミはその質問に不意を突かれた。
マミ 「ああ、そういう事ね。うん、それはちょっと難しいかもね。でもまあ、数年だけの恋を楽しむとかくらいなら、出来なくもないかなぁ…」
さやかはもっと本質的な事を質問した。
さやか「あの…私達って、人間なのでしょうか?」
その質問に、ほむらとマミは顔を合わせた。そしてほむらの方が答えた。
ほむら「いいえ、さやか。私達はもう人間ではないわ。」
?
幼い女の子が絵本に向かって怒っている。
女の子「もう!この王子、バカ!何で分かんないのよ!」
それを横でなだめる幼い男の子。
男の子「仕方がないよ。だって知らないものは、知らないんだからさ…」
ピピピ…
目覚ましの音に起こされたさやかは、涙を一粒落として呟いた。
さやか「もう、また…人魚姫なんて大嫌いなのに…」
朝の通学路、さやかは仁美を見つけると近寄って挨拶をした。
さやか「おはよう、仁美。」
ややぎこちなく、仁美は答える。
仁美 「ええ、さやか。お早う。」
仁美は魔獣に襲われた直後だけ、まるで今までの事を忘れてしまったかのようにさやかにこだわりなく接してくれた。しかしまたここ最近、急にさやかへの対応がよそよそしくなって来た。何か思い出して来たのだろうか?それとも…
放課後、仁美は意を決した顔をしてさやかに声を掛けて来た。
仁美 「さやか、あなたに話があるの。」
さやか「うん…」
仁美は人気の無い場所にさやかを連れ出すと、おもむろに言った。
仁美 「さやか、あなた恭介さんの事、どう思っているの?」
さやか「…うん…恭介はさ…恭介は、大事なお友達だよ…」
仁美はさやかの答えに苛立った。
仁美 「そう…」
仁美は一呼吸入れてから続けた。
仁美 「さやか。私、恭介さんに告白をします。恭介さんはあなたを通して知り合い、あなたの幼馴染でもあるから、私はあなたを出し
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