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SECOND
第一部
第一章
第二話『人魚姫なんて大嫌いなのに・・・』
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んぞ。」
さやか「うん、分かってる。すぐ行こう。」
 二人はゲームセンターから飛び出ると、暗くて狭い路地から魔獣空間に入った。
 この手の救出戦で最も重要な事は、いかに早く襲われている人の許へ駆けつけられるかという事だ。
杏子 「あっちだ、急ぐぞ!」
 やはり場数を踏んでいる杏子の方が先に被害者の居場所に気付いた。杏子を追いかけるようにさやかが現場へ行くと、そこには魔獣を唖然として見上げている仁美がいた。
さやか「仁美ぃー!」
 拳を振り上げる魔獣の腕に杏子が一撃を加えると、魔獣のその腕の部分はガラス化し、そして砕け落ちた。さやかは仁美を魔獣から遠ざけると、比較的安全そうな場所に連れて行き彼女に言った。
さやか「仁美、安心して。もう大丈夫だよ。あいつらは私達がすぐやっつけてやるから、ここで隠れて少しだけ待っててね。」
 だが仁美は特に反応はせず、虚ろな目でぼんやりとさやかの方を見ているだけだった。さやかはすぐに杏子に加勢すべく、踵を返して仁美の許から跳び去った。
 そこに出て来た魔獣達は、杏子とさやかにとってそれ程の敵ではなかった。五体程の中級の魔獣を倒すと、あっさりと敵の気配は消え去った。
 杏子とさやかが仁美を連れて魔獣空間から出ると、杏子が確認して来た。
杏子 「さやか。そいつ、友達か。」
さやか「うん…」
 さやかが答えると、杏子は小さく頷いた。
杏子 「じゃあよ、おめーはその子を家まで送ってやれよ。な〜に、また魔獣の奴らが出て来たって、あれぐらいのなら私一人でも問題ねーからよ。後、マミの方にも私から連絡しとくから安心しろや。あっ言っとくけどな、別に私はマミをリーダーだなんて思ってる訳じゃないぜ。ただあいつに言っときゃあ、情報の共有化が円滑になっからな。まあ合理的な判断ってやつよ。」
さやか「はい、杏子さん。今日は仁美をいち早く見つけてくれて、どうも有り難う御座いました。おかげで私…私…」
 さやかは今になってホッとし、急に涙が出て来てしまった。
杏子 「ば〜か、泣く奴があっかよ。ほら、早く行けよ。その子を早く帰してやんな。」
 杏子はさやかをせかし、さやかは仁美を連れてその場を離れて行った。

  ?

 マミは公園でキュゥべえを呼んでみた。
マミ 「キュゥべえ、いる?」
 すると植込みの茂みの中から、トコトコとキュゥべえが姿を現した。
キュゥべえ「何だい?マミ。」
 マミはキュゥべえを見ると、大きくため息を一つ吐いてから言った。
マミ 「この間、あなたに言われた翠って子に会って来たんだけど…」
キュゥべえ「いや〜、早速にありがとう。で、ご感想は?」
マミ 「何て言うか…人違いって訳ではないわよね、キュゥべえ。」
キュゥべえ「同じ名前の別の子にでも会ったのかい?」
マミ 「いいえ。
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