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SECOND
第一部
第一章
第一話『人魚姫なんて大嫌い!』
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すと、やがて仁美は先に帰って行った。
恭介 「仁美さんちって厳しんじゃないの?」
さやか「うん、仁美んちは結構凄いからね。私と違って御嬢様だから…」
恭介 「やっぱり悪いよ、無駄な時間使わせちゃったらさ。」
さやか「私も無理に来る事ないよって、言ってるんだけどね。」
恭介 「そりゃ親友が行くって言うなら、一緒に来ちゃうだろ。」
さやか「恭介は嫌なの、私達が来る事…」
恭介 「そうじゃないけど…」
 会話が止まり、暫しの沈黙が訪れた。
恭介 「同情…なのかい…」
さやか「えっ!?」
恭介 「だからさ…お見舞いに来てくれるのって、同情しているからなのかい?哀れに思って来てくれてるのかな?」
 さやかの中を、何かが込み上げて来た。
 恭介、なんでそんな事言うんだよ!
 さやかは俯いた。涙が出るのを必死に耐えた。そして辛うじて絞り出すように答えた。
さやか「違うよ…」
 またも沈黙が漂った。
さやか「ごめん、帰る。」
 さやかはなんとかそう言葉を送り出すと、自分の鞄を引っ掴んで病室から走り去った。

  ?

 次の日、学校が終わるとさやかの許へ仁美が来た。
仁美 「今日も行かれるのでしょ?」
さやか「うん…」
仁美 「どうかしましたの?」
さやか「…あのさあ、仁美…何だか悪いからさあ、仁美はもう付き合って来てくれなくていいよ。」
 さやかは仁美の為を思って言った。しかしそれを聞いた仁美の顔が険しくなった。
仁美 「それってどういう事ですの?」
 さやかは突然に不機嫌になった仁美に驚き、慌てた。
さやか「いや、あのさ…恭介がね、恭介が仁美に悪いからって…」
 仁美が軽蔑するかのように聞いて来る。
仁美 「それは恭介さんが私に来て欲しくないって仰っているの、それともあなたが私を恭介さんに会わせたくないって事ですの。」
さやか「えっ!?」
 その仁美の言葉は、さやかには青天の霹靂だった。
仁美 「さやか、私は自分の好きでお見舞いに行っているって言いましたよね。一度だって不平や不満を言った事ありませんでしたよね。なのになんでそんな事言い出すのですか?」
さやか「それは、恭介がさ…恭介が…」
仁美 「さやか、見損ないましたわ。恭介さんを引き合いに出すだなんて…」
 そして仁美は覚悟を決めたような顔をすると、さやかに叩き付けるように言った。
仁美 「いいですわ、もうあなたとは一緒に恭介さんのお見舞いには行きませんから。」
 そして仁美はさやかを置いて去って行った。残されたさやかは暫く呆然と立ち尽くしていたが、やがて思い出したように恭介の許へと歩き出した。
 さやかは重い足取りで恭介の病室に到着した。仁美がいるかとも恐怖したが仁美はおらず、さやかは少しホッとした。
恭介 「やあ、さやか。
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