第一部
第一章
第一話『人魚姫なんて大嫌い!』
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友達欲しいんじゃねえの?だから学校行きゃいいじゃん。」
梨華 「いいんですよ、私は…」
杏子 「夢だったんだろ、普通に学校行くのさ。私なんかに合わせてないで、そろそろ行けばいいじゃんかよ。」
梨華 「だから違うんですって。変に仲良くなったらこっちが持たないんですって。こうやって相手がどこの誰だか分からないくらいの方が、都合がいいんですよ。」
杏子 「ふ〜ん、まっいいけど。で、何の話してんだ?」
梨華 「う〜ん…まあ、恋愛相談みたいな話ですけど…」
杏子 「おおっ、恋バナかよ。おめーも色気付いてきやがったなぁ。聞かせてみ。」
梨華 「えーっ…まあ、かいつまんで言うとですねぇ…親友の幼馴染の子が好きになってしまったんだけど、でもその親友も口には出さないけどその人の事が好きみたいで、告白すべきかどうかで悩んでる、みたいな。」
杏子 「おおっ、三角かよ〜やるな〜。」
梨華 「やるなーって、そんな…」
杏子 「でっ、男なの女なの?」
梨華 「あー、相談して来た子は女の子だと思いますけど…」
杏子 「まあでも、そんなのどっちでもいいや。私に言わせりゃそんなもん、悩むまでもない。自分の人生なんだ、欲しけりゃ奪い取ってでも手に入れなってな!」
梨華 「はあ…まあ、杏子さんならそう言いますよね。じゃあ、そう答えておきますね。」
杏子 「おう、そうしろや。ところで、キュゥべえの奴はまだ来てねえのか?」
梨華 「ええ。そろそろ約束の時間なんですけどね…」
キュゥべえ「僕ならもう、ここにいるよ。」
その声に杏子と梨華は驚いて、二人して声のした方へと顔を向けた。部屋のベランダに続く窓の所にキュゥべえがちょこんと座っていた。
杏子 「相変わらずのいきなり野郎だな。で、どんな要件なんだよ。」
キュゥべえ「うん。ここの管轄には二人も要らないよね。杏子、君には見滝原へ転属して欲しいんだけど、どうかな?」
杏子 「見滝原って言うと…」
梨華 「そこって、あの巴マミって人がいる所じゃないですか!ダメですよ、杏子さん。」
キュゥべえ「だから打診をしているのさ。どうなんだい、杏子?」
杏子は腕を組んで目を閉じ、考え込んだ。
杏子 「必要なのかよ?」
キュゥべえ「出来ればね。」
杏子 「フッ。いいぜ、行ってやるさ。」
梨華 「杏子さ〜ん…」
杏子 「まあ、そう言うなよ梨華。行かないって言ったら、まるで私がまだあいつを恐れているみてーじゃねえかよ。それも癪だろ?」
梨華 「そうかもしれませんけど…」
杏子 「それより梨華、おめーの方こそ一人で平気かよ?」
梨華 「そんなの大丈夫ですけど…」
杏子 「じゃ、決まりだな。ちょっくら行って来るわ。」
?
その日も恭介の見舞いにさやかと仁美が訪れていた。三人で暫く雑談を交わ
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