第二十二話 それぞれの一日
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
店員はテュカの細い腕を見てあまり力を使わずに射てる弓を薦めたが、テュカは自信で数種類の弓を試した結果、コンパウンドボウを選んだ。
ちなみに店員はテュカがコンパウンドボウを試射した際、あの細腕でよく弦を引けるなととても驚いたという。後にテュカ自身知ったことだが、彼女が選んだコンパウンドボウは並の男性でも弦を引くことが難しいと言われている物だったのだ。
レレイは国立図書館に来ていた。この地球の歴史、科学、文化等の本を自分で選び、机の上に山のように積み重ねて真剣な表情で読み漁った。ただ読むだけでなく、他の分野と関連付けてそのすべてを自身の知識にしていった。
その際護衛に就いていた兵士はレレイの学習能力の高さに心底感心したそうである。
ロゥリィは特地説明会でハルバートを振った際、あまりの威力に周りの議員まで吹き飛ばしてしまったことを反省して、取り回しの良い小型の格闘武器を手に入れるためにテュカ同様武器ショップに来ていた。護衛でついて来た兵士に助言を受けつつ、彼女自身も色々試した結果、リーチが長く、比較的軽くて切れ味もいい日本刀に決めた。それも2本である。何でもイタリカ攻防戦の時ペルシャールが二丁拳銃で戦ったのを見て自分も真似したくなったかららしい。
その後、演習所で教導隊の隊員達と模擬戦を行い、ハルバートを模した演習用の武器を使って教導隊36名全員を壁にめり込ませるという一方的な戦いを演じた。
これを見ていた観客の兵士たちは”ギャグ漫画みたいな光景を見れるとは思ってなかった”と苦笑いしながら話したという。
3人はそれぞれ思い思いに1日を過ごし、仮大統領館に帰ってくると、
「えっと……?」
「治療したほうが良い…?」
「止めを刺したほうが良いのかしらぁ〜?」
そこには背凭れにもたれ掛って死んだ目をしたペルシャールがいた。
その後ハイドリヒ率いる武装親衛隊によってペルシャールは(強制的に)蘇生され、テュカ達に助けを乞いながら奥の部屋に連行された。
既に全員が眠りについた深夜、執務室奥の部屋からペルシャールの泣き叫ぶ声が仮大統領館に響いたと言うが、真実を知っている物は誰もいない。
一説にはハイドリヒがペルシャールに強制的に決済をさせたという話が出たが、いつの間にかそれを最初に語っていた兵士が行方不明になったため、その後は誰も触れないようにしたそうである。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ