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ソードアート・オンライン〜隻腕の大剣使い〜
第75話それでもキミは引き金を引けるか
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つ銃弾を口にくわえ、右の腰に吊るしてあるビーム刀《FJBXー04A》を構えてビームの刀身を発生させる。そしてその刀身でーーー自分の左腕を斬り落とす。

「あんた・・・本気で来るんじゃなかったの?」

「本気でいくさ。本気でいくのに・・・左腕(コレ)が邪魔なだけだ」

彼女が知らなくても無理はないのだろう。ライリュウの本気はーーー隻腕でなければ真の本気は出せないのだから。

(何か考えがあるというの?左腕を斬り落として攻撃手段を制限するのが本気だというの?もしそうなら、その何かが一体何なのか・・・見たい。どうしても)

シノンに彼の作戦に対する興味が沸き上がってきた。真の本気を出したライリュウを見るのは、この銃の世界ーーー《ガンゲイル・オンライン》のプレイヤーの中では彼女が初めてだろう。隻腕(ほんき)の彼の挑戦への返答はーーー

「・・・いいわ。それで決着をつけてあげる」

受けてたつ、という覚悟が籠った言葉だった。ライリュウは後ろに歩き、シノンから10m程離れた位置に止まり、彼女に向き直る。シノンはライフルを構えて、スコープの中にライリュウの顔を納める。そしてライリュウは《FJBXー04A》を地面に突き刺し、口にくわえていた銃弾を右手に持つ。そして不適な笑みを浮かべたライリュウはーーー指で銃弾を弾き投げる。そしてすぐさま《FJBXー04A》を地面から抜き、肩に刀の背をのせ、右足を後ろに下げて腰を低く落とす。シノンのチャンスは残り一発。その標的(ターゲット)はライリュウのーーー右膝。そして投げた銃弾が地面に落ち、小さな金属音を鳴らした瞬間に《ヘカートU》の銃弾が飛び出しーーー《FJBXー04A》が斬り払った。

(そんな・・・ありえない!!)

この光景を信じることが出来ない。でも現に銃弾を斬られた。シノンは右足を後ろに下げ、左の腰に納められたサブウェポンのロングマシンガン《グロック18》を抜くが、ライリュウの接近に怯んでバランスを崩して後ろにーーー倒れ混む前にライリュウが右腕を背中に回して受け止められる。そして右首筋にビームの刀身がスレスレに突きつけられていて、動くことが出来なくなってしまった。

「右足を狙ったのに・・・どうして、私の照準が予測出来たの?」

「スコープレンズ越しでも、キミの目が見えた。まあ流石に狙いが狙いだったから、ちょっと《オーバーロード》を・・・」

「オーバー・・・?」

「何でもない、こっちの話だ」

ライリュウがシノンの照準を予測出来た理由ーーーそれはスコープレンズの中に見えるシノンの視線を見て、どこを狙うかを予測したのだ。《弾道予測線(バレット・ライン)》を超えた先を読む力、そして脳に負担をかけて神の速さを得る活性化能力、彼の力はバーチャルゲームの枠を遥かに超えて
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