第75話それでもキミは引き金を引けるか
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。その時のことなんて、全く覚えてない。周りを見ても、最後には何も覚えていないくらいに暴走していた。放たれた銃弾を弾き、銃を乱射しながら接近して、至近距離で斬り倒す。そうして気付けば決勝戦。こんなになるまで記憶が残らなかったことを考えると、オレは本当にーーー
『オレの邪魔するんなら、オレは迷わずに誰だろうとぶっ殺すぞ!!!!!』
あの敵味方関係なく剣を向けようとしていた時の、狂いきった隻腕の剣士に戻ってしまったようだ。
三人称side
BoB予選決勝バトルフィールド
この仮想の世界はまさに、荒廃し文明が滅んだ地球そのもの。この世界で生き抜くために人々が持つ武器は策を練るための知恵と、文明が滅んだ瞬間に唯一生き残っていたーーー銃器。そしてその銃器を操る物の中で、最強を決める祭典が存在する。人々はその祭典を《バレット・オブ・バレッツ》ーーー縮めてBoBと呼ぶ。その祭典も三度目の開催を迎え、数多くの参加者の中から強者を絞り込む予選がこの決勝戦でーーー最終戦で決定する。この決勝に登り詰めた時点で本大会に出場することは決定しているがーーーそれでもこの予選で最も強い戦士を決めるまでは、予選は終わらない。
戦いの舞台は破損した乗り物が散乱し、外壁や足場が崩れた大陸を結ぶ高速道路。そしてこの舞台に勝ち抜いた戦士が一人、光を纏い現れた。
水色の髪の前髪を二本の白いヘアピンで、両サイドを三つの穴が開いた黒いヘアピンで抑え、胸部や腹部を露出した黒いラインの入った白い服の上に、白いマフラーと前を開いた黄緑色のジャケットを着こんだ少女ーーーシノン。その両手に抱える武器は強大な破壊力を誇り、照準に納めた標的を原形も残さないレベルで破壊する狙撃銃。《冥界の女神》の名を持つその兵器の名はーーー《ウルティマラティオ・ヘカートU》。
シノンは周囲を見回し、対戦相手である女性ーーーとなった少年を捜す。だが目に見える範囲にはその少年の姿はなく、自分が戦場の端にいることを確認した。
(あいつは物陰を移動しながら接近してくるはず。チャンスはこちらの位置を特定出来ていない最初の一発のみ・・・当てる。必ず!!)
シノンは近くに停車している二階建てバスのフロントに移動し、《ヘカートU》を構える。狙撃手は最初の狙撃に限定して、敵に自分の位置を把握されていない。その特性を活かすために、自分の姿を視認しにくい特等席に着いた。
(何で私は、こんなにあいつに勝ちたいと思うんだろう・・・)
彼女には一つの悩みがあった。自分では分からないけれど、あの少年に勝ちたい。勝負の末路は勝つか負けるかの二つのみ、人が目指す物は勝利の二文字。だがそれ以上に自分を動かそうとする感情の正体が
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