第75話それでもキミは引き金を引けるか
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殺した。いや、オレは復讐のために奴らを殺したんだ。オレは翼たちの仇をーーー
「・・・仇?」
仇って何だ?翼たちのか?あいつらは生きてたじゃないか。だったら何なんだ?オレは何のためにあの四人を殺したんだ?あいつらは翼たちを殺してない。だとしたら、オレはクラディールの言う通りーーー
『この、人殺し野郎が・・・』
ただの人殺しじゃねぇか。いや、復讐だとしても結果は変わらない。オレはどちらにしろーーー
『人殺し』
やめろーーー
『人殺し』
分かってるんだーーー
『人殺し』
分かってるからーーー
『人殺し』
やめてくれーーー
『人殺し』
誰か、助けてくれーーー
「何て顔してるのよ」
「!!」
突然肩を叩かれて声をかけられ、オレはその方向を見た。そこにはオレと同じく、BoB予選に出場している水色の髪の少女ーーーシノンがいた。
「そんなにギリギリの試合だったの?その割には、随分早く戻ってきたみたいだけど?」
違うんだ。オレが恐れてるのはBoBの猛者たちじゃない。オレが恐れてるのは、オレの過去とは全く関係のないキミには言えないーーー忌まわしい記憶なんだ。
「たかが一回戦でそんな有り様じゃ、決勝なんて夢のまた夢よ。しっかりしなさいよね。あなたには貸しがあるんだから・・・』
そう言って再び肩を叩いて去ろうとするシノンの手をオレはーーー握って歩みを止めさせる。
「ちょっと・・・ん?」
我ながら情けない。大の男であるオレがーーー過去に怯えて、全く関係のない女の子の手を握って、どうにもならない恐怖心を少しでも軽くしようとするなんてーーー
「・・・どうしたの?何か・・・」
オレはシノンの声を聞いて手を離す。そしてその瞬間にまだ終わってない予選の次の試合会場に自動転送される。
BoB予選第二回戦バトルフィールド
自動転送が終わった瞬間、目の前に広がったのは古代文明の遺跡のような場所だった。厳密にはどこなのかは知らない。対戦相手の名前も知らない。何も知らない。それどころじゃないんだ。あのボロマントの男の声ーーー
【俺とこの銃の名は・・・死銃だ!!!】
あいつの声と死銃の声は同じだった。あの剣の世界にいた元《笑う棺桶》の男は、この銃の世界で死銃となり、何らかの方法で再び殺人プレイヤーになろうとしてるんだ。そいつは必ず本選に進んでくるはずだ。だからオレは本選に進みそいつを倒すために、止めるためにーーー
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
オレは再び狂戦士になり、向かい来る猛者たちを次々と倒していく
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