マーガレット祭編
お祭り
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「最初に思い付いてよ」
シェリアに聞くという選択肢が微塵もなかったレオンに突っ込む。彼はそれをキレイに受け流すと、扉を開けて少女と対面する。
「シェリア、今年の出店って何するんだっけ?」
相手が訪れてきたはずなのに、先に自分の聞きたいことを聞いてしまう少年に、彼の相棒の猫と共に苦笑いしている。いきなり質問された少女の後ろにいる三人も、同じような表情になっていた。
「え・・・あたしもそれを聞こうと思ったんだけど・・・」
どうやら彼女たちも同様の質問をしに来ていたようで、思わず項垂れる。レオンもシェリアも知らないんじゃ、この家にいる人で出店の内容を知ってる人はいないみたいだな。
「じゃあギルドに着くまでのお楽しみッてことだね!!」
「なんで嬉しそうなのよ?」
「気持ちはわからなくはないけどね〜」
それがわかると、ウェンディはなぜかまんべんの笑みで二匹の猫にそう言う。何事もプラスに捉えられるその姿を見て、シャルルもセシリーも驚いていた。
「でも珍しいな、リオンくんが伝え忘れるなんて」
「そうだよね、オババ様もちゃんと伝えてくれるのに」
現在は評議院再建のためにギルドから離れているジュラさん。彼がこのギルドの中心的な人物なのだったわけだが、彼の他にもリオンさんやオババ様と言ったしっかりしているメンバーがいるのに、自分たちに情報が回ってこなかったことに不自然さを感じている双神がそう言う。特にオババ様はマスターなわけだし、伝え忘れたら困ると思うんだけど・・・
それから身支度を整えた俺たちは、駆け足気味でギルドに向かう。もしかしたら、出店の準備をすでに始めていたりすると、いくら聞いていなかったとはいえ申し訳ない気持ちになるのが目に見えていたからだ。
「「リオン(くん)!!」」
ギルドの扉を勢いよく開くと、中にはオババ様とリオンさん、他に二、三人程度の人しかおらず、時間帯から考えてお祭りの準備にみんな向かっているのだと推測できた。
「おはよ、レオン、シェリア」
「おはようじゃないよ!!」
「今日のこと、俺たち何も聞いてないんだけど?」
体当たりでもするかのように突っ込んでいったシェリアと目を細めて怒ってる感を出しているレオンがマーガレット祭での出店についてのことを聞こうとしている。
だが、俺はここであることに気付いてしまった。もしかして・・・
「レオンが忘れてるだけなんじゃないの?」
「私もそう思っちゃった」
ジュビアさんのこと意外では常識人の分類に入るリオンさんがこんな大切なことを伝え忘れるとは考えづらい。だけど、ボケッとしていることが多いレオンなら、聞いたことを受け流しており、頭のど
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