マーガレット祭編
お祭り
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ガヤガヤガヤガヤ
「なんだ?」
朝目を覚まし身支度をしていると、妙に外が騒がしいことに気が付く。わずかに開いているカーテンを音を立てて全開にすると、そこにはいつもと雰囲気が変わっているマーガレットの街があった。
「んん?どうなってるんだ?」
まだ顔を洗っていないため目覚めきっていない目を擦り再度街に視線を落とす。よく見てみると、街には出店や盛り上げるためのような旗がたくさん点在しており、ますますどういうことなのかわからなくなっていく。
「あぁ、もうそんな時期か」
一人首を傾げていると、後ろから黒と青のジャケットに袖を通している氷の魔導士が街の景色を見ながらそう言う。
「そんな時期って?」
どうやら彼はこの状況がどういうことなのか理解しているようなので、聞いてみることにした。俺の言葉に答えようとしたレオンだったが、説明してくれたのはその後ろにいるオレンジ色の猫だった。
「この街全体でやるお祭り、『マーガレット祭』だよ!!」
「マーガレット祭?」
彼の言葉になおもクエスチョンマークが頭に浮いている。妖精の尻尾があったマグノリアではそんなものなかったから、どういうものなのかさっぱり予想がつかない。
「簡単に言うと、飲食店やらオモチャ屋やらがそれぞれ出店を出して、今日一日街を盛り上げようぜってイベントだよ」
「うちだと蛇姫の鱗感謝祭もあるけど、あれはギルドだけでやってるものだからね。盛り上がりが全然違うよ」
感謝祭については前にエルザさんやグレイさんから聞いたことがある。ただ、それがマグノリアではこのお祭りと似たような扱いになっていたのかも。蛇姫の鱗はギルドでのイベントと街でのイベントをちゃんと別けているのか。
「あれ?そういや今年の出店、何やるか聞いてないや」
「え?ラウも聞いてないよ?」
すると、レオンが顎に手を当てながらお祭りについての記憶を掘り起こそうとしている。しかし、時間が過ぎていくだけで思い出せそうにはとても見えない。
「ギルドでも出店出すの?」
「うん!!時間ごとに店番替えていくんだけど、それをラウたちちゃんと聞いてなかったみたいで」
なおも思考しているレオンを横目にラウルから色々と教えてもらうことにした。ちなみに、去年はレオンが大好きなチョコバナナにしたらしい。他の出店も、普段はやらないようなことをやれるから、趣味に走っているようにしか見せない人もいるのに、かなり完成度が高いものがあるらしい。特に趣味を出店にしてる人がね。
コンコンッ
「レオン、入っていい?」
出店のことについて話していると、扉の向こうからシェリアの声が聞こえてくる。
「あいつに聞けばいいのか」
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