第三十五話 母と娘
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無数の照明弾が夜空を明るく照らし、5騎の旋回している竜騎兵のメイジらは地上のカリーヌたちを見ていた。
カリーヌ夫人は上空の軽竜騎兵が黒地に金の獅子のエンブレムを着けている事を確認した。黒地に金の獅子の紋章はマクシミリアンの軍が使用している。
あれだけの天変地異を起こしたからか、当然偵察を出したのだろう。カリーヌ夫人は上空の竜騎兵に手を挙げ降りて来るようにジェスチャーを送った。
☆ ☆ ☆
カトレアが目を覚ますと、知らない部屋のベッドに寝かされていた。
「ここは?」
部屋の中を見渡すと、少し離れた所で椅子に座ったマクシミリアンが船を漕いでいた。
「マクシミリアンさま……!」
カトレアの胸は高まった。およそ2年ぶりに再会した愛しい人は自分の想像以上に逞しく成長していて嬉しくなった。だが良く見てみると少しやつれ気味なのが気になった。
「少し、やつれた様な……」
気絶している間に着替えさせられたのだろう、カトレアは寝巻き姿でベッドから降りマクシミリアンに近づいた。
眠るマクシミリアンの頬に触れようと手を伸ばすと、マクシミリアンの手がカトレアの腕を掴み引っ張られるように引き寄せられ、カトレアはマクシミリアンの胸の中に納まった。
「きゃぁ!?」
「ん……カトレア、会いたかったよ」
「はい、カトレアです。マクシミリアンさま。起きていらしたのですね?」
「ついさっき起きたんだ。それでちょっとイタズラをしたくなってね」
「もう! びっくりしましたわ!」
「ごめんごめん。それにしてもカトレア……綺麗になった」
「マクシミリアンさまも逞しくなられなられましたわ」
「……」
「……」
色々、話そうと思っていても、いざとその時となると話題が見つからない。
カトレアも同じなのか、言いよどんでいた。
今は言葉は要らない。2人は引き寄せられるようにキスをした。
約2年の空白を埋めるように2人のキスは激しさを増していった。
「……ん……うう……ちゅ……」
カトレアは顔を真っ赤にしながらキスをしている。
マクシミリアンはむさぼる様にカトレアの舌を求める。カトレアもマクシミリアンの求めに応えようと舌を絡めた。
やがて2人は熱を帯びていき、マクシミリアンはカトレアの寝巻きに手をかけた。カトレアも嫌がるそぶりを見せなかった。
……だがしかし。
「コラァァァーーーーーッ!!」
カリーヌ夫人がドアを蹴破って入ってきた。
「お母様!」
「チッ、いい所だったのに」
「
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