第33話
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大悪魔なだけあって、滅茶苦茶手強かった。」
「私は決戦時では別の相手と戦っていたから実際には戦っていないが、他の仲間は決戦で”竜”や”神”とも戦ったそうだからね。まさに何が出てきてもアリな世界だったね。」
フィーとオリヴァルト皇子の口から次々と出てくるとんでもない話にリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「道理で二人とも強すぎる訳よ………」
「フフ、そのような所に放り込まれて生き残る為に戦ったのだからな……その気がなくても、強くなるだろうな。」
我に返ったアリサは疲れた表情で呟き、ラウラは苦笑していた。
「はは……―――話を聞かせていただいて本当にありがとうございます。自分達の中の芯が一本、改めて通ったような心境です。ですが……お話を聞く限り、自分達が期待されているのはそれだけでは無さそうですね?」
そして苦笑した後気を取り直したリィンは真剣な表情でオリヴァルト皇子を見つめて尋ねた。
「え……」
「ほう……」
リィンの質問を聞いたエリゼが呆けている中、オリヴァルト皇子は感心した様子でリィンを見つめた。
「士官学院の常任理事の3名……我が兄、ルーファス・アルバレアに帝都知事カール・レーグニッツ。そしてラインフォルト社会長、イリーナ・ラインフォルトですか。」
「あ……」
「確かにその3名は……」
「どう考えてもオリビエとは違う狙いを持ってそう。」
「フフ、その通りだ。―――先程も言ったが既に”Z組”の運用は私から離れ、彼ら3名の理事に委ねられている。このうち、知っての通り、ルーファス君とレーグニッツ知事はお互い対立する立場にある。イリーナ会長はARCUSなどの技術的な方面に関係しているが、その思惑は私にもよくわからない。そして――――君達の”特別実習”の行き先を決めているのは彼らなのさ。」
ユーシスの指摘に頷いたアリサやマキアス、フィーの指摘を聞いたオリヴァルト皇子は静かな笑みを浮かべて説明した。
「そ、そうだったんですか……」
「……確かに何か思惑や駆け引きなどがありそうですね。」
「ああ、3人からは”Z組”設立にあたって譲れない条件として提示されたものでね。正直、ためらいはしたのだがそれでも我々は君達に賭けてみた。帝国が抱える様々な”壁”を乗り越える”光”となりえることに。」
オリヴァルト皇子の話を聞いたリィン達は黙って考え込んだ。
「フフ……だがそれじゃあ我々の勝手な思惑さ。君達は君達で、あくまで士官学院の生徒として青春を謳歌すべきだろう。恋に、部活に、友情に……甘酸っぱい青春なんかをね♪」
真剣な表情で語った後ウインクをしたオリヴァルト皇子の発言にリィン達は冷や汗をかいた。
「あはは……」
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