機動戦艦ナデシコ
1421話
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だが……近衛がその失言を見逃す筈もない。
「へー。まだ、なんや。なら、将来的にはそうなるんやなー?」
「なっ、な、な……」
真っ赤になるエリナの顔。
そして反射的になのだろう。俺の方へと視線を向けてくる。
ここで受け流してやればエリナも落ち着くんだろうが……
「俺はいつでも歓迎だぞ? エリナなら俺達の間に入ってきても上手くやっていけると思うしな」
「っ!? 馬鹿っ!」
とうとう限界を超えたのか、エリナはそれだけを言うとその場から走り去る。
もっとも走り去ると言ってもここはコンテナの中だ。
迂闊に外に出る事が出来ない以上、仕切りの向こう側くらいしか行く場所はないけど。
「このちゃん……アクセルさんも、あまりエリナさんをからかうような真似は……」
桜咲が困ったように注意してくるが、その顔に浮かんでいるのは苦笑だ。
一応注意はしてるけど、桜咲本人も色々と楽しんでいるのだろう。
……変わったよな。以前の桜咲は恋愛関係になるとガチガチに固まっていたのに。
今は、近衛と一緒にエリナをからかうような事も出来るようになってるんだから。
ともあれ、この日は結局エリナが中々出てこず……その機嫌を取るのに随分と時間を費やす事になる。
「うん? 今言ったのは本気なのか?」
「……はい。俺と勝負して下さい。勿論手加減抜きの、本気でお願いします」
白鳥や秋山との間で毎日連絡は取っていたが、今日通信を送ってきたのは高杉。
勿論白鳥や秋山も一緒におり、いつものように影のゲートでコンテナへとやって来たのだが、その2人はどこか困ったような視線を俺の方へと向けていた。
「何でだ、と聞いてもいいか?」
高杉が何を思ってそう言ってきたのかは予想出来る。だが、それでも俺は高杉の方へと視線を向けて尋ねた。
そんな俺の思いを高杉も理解したのだろう。そっと視線を少し離れた場所で俺達のやり取りを見ている神楽坂へと向けると……口を開く。
「俺が、自分の想いを口にする為です」
「……なるほど」
高杉が神楽坂に対して想いを寄せているというのは、それこそ以前にホワイトスターへとやってきた時から理解していた。
本来なら、所属する勢力が違うというのは大きな壁となって高杉の想いを諦めさせる筈だった。
だが、なまじ俺が神楽坂を木連に連れてきてしまった為に、高杉は今まで以上に神楽坂を接する機会を得る。
そして毎日……とまではいかないが、それでも2日に1日程度の割合でコンテナにやってくる高杉は、当然神楽坂と接する機会も増えていく。
そんな時間が増えていけば、淡い憧れが明確な恋心へと変わっていくのは、ある種当然だったのだろう。
だが、高杉は俺と神楽坂が付き合っ
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