第127話
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〜メルカバ・玖号機・会議室〜
「―――それでは、議長。ご決心にお変わりありませんね?」
マクダエル議長のある提案を聞いたグレイスは真剣な表情で尋ね
「うむ…………この中にも反対する者はいるだろう。だが、ここから始めなければ我々は前に進めないと思うのだ。いかに仮初の秩序と覇権を失ったとしても。そして……私は真にクロスベルを想って、”覇道”を歩む事に決めた”王者”達に後の事を任せようと思う。現状を維持する事しかできなかった私のような老いぼれがいても、”王者”達の手によって生まれ変わろうとしているクロスベルの為にはならんよ。」
尋ねられたマクダエル議長は重々しい口調で答えた後微笑んだ。
「おじいさま………」
「……………………」
マクダエル議長の言葉を聞いたエリィは複雑そうな表情をし、ノエルは黙り込み
「『クロスベル独立国』の無効宣言と共に局長達――――”六銃士”にクロスベルの事を託す宣言か。たしかに前政府代表の一人である議長閣下ならではのカードだね。しかも市民はディーター大統領より”六銃士”を慕っているから成功する事間違いなしだね。」
ワジは静かな笑みを浮かべて呟き
「でも、具体的にはどのような形でその宣言を?」
「市民や国防軍にも伝わらないと効果は薄いんですよね?」
リーシャとフランはそれぞれ質問した。
「それについてはヨナがアイデアがあるそうです。」
その時ティオが説明し、説明を聞いたその場にいる全員はヨナに注目した。
「ああ、タングラム丘陵に導力ネットをレマン自治州と結ぶ実験用の無線ブースターがあるんだ。あそこからなら隙を突いてハッキングを仕掛けられるはずさ。10分くらいなら何とか持たせられるはずだぜ。」
「ふえええ〜??」
「異世界の技術って全然わかんないわ……」
ヨナの説明を聞いたサリアは首を傾げ、マリーニャは疲れた表情で溜息を吐き
「俺達からすれば異世界の魔法技術の方が最初、全然理解できなかったよな……」
「フフ、そうですね。」
リィンとエリゼは苦笑していた。
「よくわからんが………要はあの街頭スクリーンなんかも乗っ取れるわけだな?」
「はい、それと国防軍方面の全端末にアクセスします。」
ランディの質問にティオが答え
「大統領サイドの正当性が揺らげば残りの国防軍はしばらく様子見になる………動きやすくなるのは確かだな。」
アッバスは静かな口調で言った。
「………………………」
一方ロイドは黙って考え込み
「ロイド………」
エリィは心配そうな表情でロイドを見つめ
「ふむ、ロイド君。『独立国』の無効宣言と私の引退と共にヴァイスハイト局長達に政府代表の地位を譲る宣言は
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