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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
第127話
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あくまで私の考えしかない。リーダーである君が反対なら実行に移すつもりはないが?」

マクダエル議長は真剣な表情で尋ねた。

「――――いえ、お願いします。かつてディーターさんは………IBC総裁だった頃の彼は『正義』について語っていました。」

「あ………」

ロイドの言葉を聞いたエリィはかつてのディーターの言葉を思い出した。



結局のところ、人は正義を求めてしまう生き物なのだよ。なぜなら”正義”というものは人が社会を信頼する”根拠”だからだ。



政治の腐敗や、マフィアの問題………それを警察が取り締まらなくても経済的には恵まれているから、多くの市民は生活に困らない。



だが、そんな中でもやはり人は”正義”というものをどこかに求めざるを得ない。どんな形であれ、社会を信頼できる安心感を欲してしまうからだ。



だからこそ私は―――君達に期待したいのだよ。君達が、君達なりに”正義”を追求している姿………それが目に見える形で市民に示される事が重要だと思うのだ。



「ディーター君がそんな事を……」

ロイドからかつてディーターが語ったある言葉の説明を聞いたマクダエル議長は驚き

「あったなぁ、そんな事も。」

「まだ1年も経っていないのにすごく懐かしい気がします。」

ランディは疲れた表情で言い、ティオは複雑そうな表情で言い

「そんな事を聞かされたの………」

「…………………」

セシルは驚きの表情でロイドを見つめ、キーアは黙り込み

「ディーターさんはディーターさんなりの”正義”を求めていたのですね………」

「でもどう考えても間違っているよね?」

「ええ………ディーターさんの”正義”は独りよがりの”正義”………今のディーターさんは民を苦しめる独裁者です。」

「”正義”か……………」

セティは複雑そうな表情をし、シャマーラはエリナに尋ね、尋ねられたエリナは真剣な表情で答え、エオリアは複雑そうな表情で呟き

「―――”正義”か。俺達からすれば縁のない言葉だな。」

「そうですね………私達は”正義”の”敵”なのですから。」

「ま、わらわからすれば”正義”に頼る者等、ただの軟弱者だな。」

「レ、レシェンテ!そんな事を言っては駄目よ!?」

セリカとエクリアは目を伏せて呟き、レシェンテは嘲笑し、レシェンテの言葉を聞いたシュリはレシェンテを睨んだ。



「―――あの時の総裁の言葉。あれが本心からか、それとも単なるポーズなのかは正直、わかりませんが……それでも俺達の心に響くものがあったのも確かです。」

「そうね……」

「ふむ、確かに興味深い言葉だわ。」

ロイドの言葉にエリィとグレイスは頷いた。


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