第十二話 数字
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とを口にするユイスリーにアイテムを返すと、ユイスリーはそれを手の上で転がしたかと思うと。
「さて、当然、こんなことも可能です」
そう口にしたかと思うと……。
そのアイテムが、二つに増えた。
……コピー&ペーストでもしたのか?
いや、そんなこと、出来るのか?
……逆を言えば、圧縮等が出来るなら、それは出来る。
だって、データなんだから……っ!
「さて、このアイテム。 拡張子を変えて元に戻すだけなら別に害はありません。
ただの私達ですからね。 ですが、問題はここからです」
そこで、ユイスリーはアイテムの一つを己の頭に押し付けたかと思うと。
そのアイテムが光ると同時に、ユイスリーの姿は、突如、先ほどユイスリーの横に居た少女の姿へと変わった。
少女は、暫く黙って俺を見た後。
「……こんな感じで。 一定条件を満たせば上書きすることも可能なんです。
このアイテムはナーヴギア本体の中に保存されますから、うまく設定を組み替えると……」
そう言って、少女は懐から、先ほどのものと同じようなアイテムを取り出し、隣の席へとおくと。
アイテムが光り、ユイスリーが現れた。
それと同時に、ユイスリーが喋り出す。
「ナーヴギアに保存されているプレイヤーのアカウントをハッキングし、キャラクターデータに直接上書きして、キャラを間接的にデリートしてしまうことも可能です」
「……っ。 デリートされた人間は、どうなる?」
「ナーヴギアは脳波をスキャンしていますからね。 キャラクターデータに上書きするということは、そのプレイヤーにAIの書き込みを行うということです。
意識、自我の消滅。 まぁ、良くて植物人間状態でしょうか。 最悪、強制ログアウトと判断されれば、デスゲームの掟に従い、そのまま……」
最後だけ言葉を濁したが……。
つまり、死ぬ可能性があるってことか……!
「そのアイテムが上書きする条件はなんだ?」
「カーディナル側、私達が下手に手を出した場合です。 消滅までのわずかな時間に、共有している拡張子が全て開いてユイツーが複数現れるでしょう。
もしかしたらその後、さらに共有の幅を広めて増殖するかもしれませんね」
ユイツーまみれのアインクラッド……。
その手のヤツには天国かもしれねぇが、同じ顔が複数いるってのは、恐ろしいな……。
あんまり想像したくはない。
いや、下手したら俺だってユイツーになるかもしれねぇ……。
「GMはどう判断してるんだよ……」
俺がそう口にすると、ユイスリーは首を傾げた後。
「GM? ああ、ゲームマスターのことですか。 あの方は特に何もしませんよ。
あくまでもこういうこともイベントの一環として見ているようです。
あまりに被害が大きくなるようなら動くようですが、数十人程度が
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