第十二話 数字
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は取れず、解凍するタイミングの指定も出来ない。
だが、それで十分だった。
「フフフ。 シャム君達のチームはやはり凄い。 既に10件中8件。 一度のトラブルもなく、うまくギャンブルで分身を取って破壊してるよ。
それに比べると、アルス達は4件中3件。 しかも1件は既に失敗している。 情けない結果だが、
前進はしてる。 これで、残すところ、あと3件のみとなったわけだ」
面白おかしくそう口にするザサーダに、ファイブは口を尖らせた。
「もう、結構これは危機なんですからね? わかってます? カーディナル側のスリーとフォーは感情が少ない代わりに優秀です。
それとは対になってる我々は、スリーとフォーに追い詰められれば消滅させられてしまうんですよ?」
そんなファイブに対し、ザサーダは軽く笑みを浮かべた後。
「まぁ安心したまえよ。 問題なのは、ここからなんだ。 残り3件の内2件は、ランダムじゃなく、指定して飛ばしたんだ。
撃退の準備も、それなりには出来てる」
そう口にしながら、ザサーダはその名を口にする。
「異端の格闘家ユナ。 彼女、いや、彼と関わった、あの『彼』に対して、シャム達は苦戦するだろう。
それと、ウチのギルドの切り札、序列二位の彼がアルス達の前に立ちはだかってくれるさ」
そう口にするザサーダの口元は、三日月に歪んでいた。
まるで、結果よりも、接触したらどうなるかという過程を楽しむように……。
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