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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四七話 勇気の誓い
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らないというのは我慢できない。

 それに、この世界に『奴』が現れ未来が訪れたとしても……もう幸福にはなれないかもしれない。
 “一緒に歩んで往きたい“という願いが呪いに変わってしまう可能性がある。
 その結末を想像すれば痛みと愉悦が入り混じった複雑な感情が胸をかき乱す。

 だけど、渡したかった………願いが呪いに変わってしまうかもしれないという恐怖を塗りつぶして心を満たす力強い感触――――それを何というのか、よくわからない。

 ただ、彼女を自分に縛り付けたいだけの妄執とは何か違う気がした。

「……私、信じてます。忠亮さんと自分を―――どんな事があっても、乗り越えられるって。」
「そうだな……(おれ)達ならきっと―――」

 見上げながら瞳を潤ませながら見上げる彼女に同意する。

 ……出来るハズだ、この手に幸福な明日を掴むことが。
 それが出来なかった俺達を知っている…………だが、俺達は(おれ)とは違う。同じ肉体、同じ原点を持つだけの別人だ。クローンや双子と同じだ。
 遍歴の異なる路を歩んできた時点で(おれ)と俺は全く異なる人間なのだ。

 それは唯依だって同じ、俺達がそれぞれ愛した唯依と(おれ)の愛した唯依もまた別人だ。
 ならば―――その手に掴める明日は異なるモノになるハズだ。

「愛しているよ唯依……」

 お前を得るためになら…たとえ世界を壊してもいいと思えるくらいに。

「はい、私も忠亮さんのことお慕いしています。」

 嬉し涙で濡れた笑顔は格別の笑顔だった。

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