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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四七話 勇気の誓い
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だ。未熟な自分をよく諭してくれる―――多くの事柄にすでに答えを持っている人だからそんな当たり前を失念していた。
「………バカだな私、一人勝手に浮かれて。」
少し振り返る。この旅行、彼の様子がおかしかった。
なんというか、態度がやけに陽気だった。軽薄とかそういうのではなく、なんというかこの旅行が楽しくて浮かれてたという感じに偽装した―――そうだ、彼の義兄が普段見せる態度に何となく似ていた。
振り返えなければ分からない位の微かなモノだけど、あの人の陽気さは――不自然だった。
「私に何が出来るんだろう……」
唯依の呟きは見上げた夜空に消えて往った。
湯から上がり浴衣を纏い自室へと戻る唯依、ぽかぽかと火照った体に浴衣の感触が心地よい。
温泉の効能か、お肌もすべすべのもっちり卵肌なので少しだけ足取りも軽くなる。
「忠亮さん戻ってるかな。」
女の風呂は時間がかかるという自覚はある。特に自分のような髪が長い場合、手入れが色々大変だ。
雑多な手入れでは毛先が裂けたりして見栄えが悪い。
それに、あの人が自分の長い髪を好きだと言ってくれたのだから大事にしたい。
「あれ、真っ暗……」
戸を開けた自分を迎えた暗闇に帰っていないのかな?と疑問を持ったところに声が掛かる。
「帰ったか唯依、温泉はどうだった?」
声に導かれるまま自分も部屋に入り、戸を閉める。
逆光で真っ暗にしか映っていなかった部屋は月光が差し込んでいてなんとも言い難い雰囲気があった。
そして声のほうへと視線を動かすとそこには忠亮が部屋の窓の額縁に手を置いたまま壁にもたれ掛かって夜空を眺めていた。
「はい、いいお湯でした。ところで忠亮さんは何を?」
「月見だよ。物思いに耽るにはこれが一番落ち着いて出来るからな。」
「……どんなことを想っていたのですか?」
忠亮に近づき、その横に座りながら問いかける。
「お前と出会ってから今日までの事を思い出していたよ。」
最初は軍艦の医療室だった。そこから色々あった―――本当に色々あった。
「本当に、楽しかった。これが夢なんじゃないか、いつか覚めて消えてしまうんじゃないかって怖くなるくらいに。」
忠亮の背に身を預けながらその独白を聞く。その声はまるで寒さに震えているように錯覚させる何かがあった。
「夢じゃ、夢なんかじゃありませんよ。」
その大きな背に身を預けながら唯依は確かに告げる。
「私は此処に居ます、忠亮さんもここに居ます―――だって、こんなに温かい。」
人の温もりを肌に感じる、それは確かに二人が確かに此処にいるという証明だ。
「だけど、
己
(
おれ
)
はもうすぐ死ぬかもし
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