第32話
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たけどかなり衝撃的だったよ。あんな真っ白で綺麗な飛行船、初めてみたもん。」
「父さんが帝都知事として殿下を出迎えたらしいが……確かにあの時以来、オリヴァルト殿下の名前をよく聞くようになったな。」
リィン達が話し合っているとB班のメンバーがリィン達に近づいてきた。
「あ、もう来てたのね。」
「ふふっ、お疲れ様です。」
「早いな、そっちは。」
「うん、ちょうどいい所で課題の方にケリを付けてね。」
「そちらの方は終わったのか?」
「フン、当然だろう。帝都に馴染みはないがちょうどいいハンデだな。」
「ぐっ……この男だけは。」
相変わらずの様子のユーシスの答えを聞いたマキアスは唸り
「んー、仲良くするのはちょっと難しそうだね。」
「フフ、喧嘩をするほど何とやらかもしれないが。」
「あら、あなた達……」
「……ひょっとして?」
互いの顔を見合って会話をしているフィーとラウラの様子に気付いたアリサとエマは目を丸くした。
「はは……さすが女子は鋭いな。」
「コホン………うん。その、なんだ………そなた達にも心配をかけたな。レンに関しても大丈夫だ。」
「もう心配無用。」
「そっか……!うんうん、良かったじゃない!」
「ふふっ……そうですか。実習が終わったら誰かの部屋で一晩中話したい気分ですね。」
ラウラとフィーの答えを聞き、ラウラ達が和解した事を悟ったアリサとエマは嬉しそうな表情で二人を見つめた。
「ちょっといいかも。」
「フフ、少し照れくさいが。」
(うーん、女の子だな。)
(あはは、お泊り会は女の子の特権みたいなものだからね。)
女子達の様子を見たリィンとエリオットはそれぞれ苦笑していた。
「……?そう言えばレンはいないようだが……」
その時レンがいない事に気づいたガイウスはリィン達を見つめ
「ああ。何でもサラ教官がレンに別の用事があって、レンだけ今は別行動中だ。」
「ふむ……?一体何の用事なのだろうな?」
「フン、大方団体行動を乱すような言動が目立っているのだから、説教でもされているのではないか?」
「アハハ……さすがにそれはないと思うよ。」
リィンの答えを聞いたガイウスが考え込んでいる中鼻を鳴らして呟いたユーシスの推測を聞いたエリオットは苦笑した。するとその時鐘の音が聞こえて来た。
「”ヘイムダルの鐘”か……」
「……荘厳な響きだな。」
「さすがにオスト地区で聞こえるのとは違うな……」
「これが5時の鐘……そろそろ約束の時間だけど。」
鐘の音を聞いたリィンが考え込んだその時
「兄様……?」
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