第八話〜ライ〜
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。始めはライを六課に入れるつもりだった。KMFの知識と戦闘指揮の能力の高さ、そして昨日の検査で発覚したリンカーコアの存在。戦闘員としてライのような存在は貴重なのだ。しかしライの経歴がはやての予想を超えていた。経歴を偽り彼を六課に入れることは後ろ盾を使えば可能と思われる。しかし、ライの経歴がバレた場合六課の存続が危うくなる。ハイリスクハイリターンなのである。
はやてはライを見極めるために問いかける。
はやて「ライはどうして戦ったん?」
ライ「誰もが笑って過ごせる優しい明日を迎えるために。」
ライははやてからの質問にはっきりと答える。その瞳には強い意思と決意が宿っていた。それを確認したはやては自分の選択に決意し言葉を紡ぐ。
はやて「ライの世界は次元世界やなくて平行世界。やから現時点でライの帰る方法は無いんや。」
ライ「わかってる。」
はやて「それで、もし良かったら民間協力者としてこの機動六課に協力してほしい。」
ライ「え?」
はやて「どうや?」
ライ「でも僕は…」
はやて「過去は変えることは出来ん。でも未来を変えるために今を生きることは出来る。」
ライ「……」
はやて「ライはどうしたい?」
ライ「…一つ約束して欲しい。もし僕のギアスが暴走したら僕を殺して欲しい。」
はやて「……」
ライ「ギアスは使えば使うほど力を増す。そして最後には暴走し自分の意識でのオンオフができなくなる。もしそうなったら…」
ライが最後の言葉を言おうとした瞬間、はやてとフェイトの二人がライの頭を包むように左右から優しく抱きしめた。
はやて「そんなことは絶対にさせへん。ライにギアスは使わせん。だからそんな自分を傷つけることは言わなくていいんやで?それにライはそんなことするはずない。いったやろ、これでも人を見る目はあるって。」
フェイト「もうそんな悲しい目をしないで。苦しければ正直に言ってもいいんだよ。」
二人はライがこの力に苦しんでいることに気づいていた。そしてこれまでにライを支えられる人がいなかったことも察していた。ライは支える側に立つことがあっても支えられる側に立つことは無いのだと。
二人からの言葉を聞き静かにライは涙を流す。
ライ「……ありがとう」
二人の腕から解放されたライはこの世界に来て一番の笑顔と感謝の言葉を送るのだった。
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