導く蛇
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ものだ。
数日後、シャルロットとは別に転校生が現れた。こっちもすでに調査済みだ。ラウラ・ボーデヴィッヒ。よくこの技術力で作れたよなと思うデザインベビー。つまりは遺伝子操作で生まれた子供だ。軍で育ったために一般常識に欠け、扱いにくいという評価だ。また、織斑先生を神聖視している。ただ単に努力が実っただけなのにな。そんなことよりもっと人間性を教育してやれよ。
そんなことを考えているとラウラ・ボーデヴィッヒがオレの方にやってきて、頬を叩いてきた。オレはつい癖で魔力をヒットする面に集めてしまい、いい音が鳴ると同時にラウラ・ボーデヴィッヒが叩いた手を抱え込んで蹲る。
「いきなりのビンタは横に置いておいて、大丈夫か?」
「わ、私は貴様が教官の弟だと認めないからな!!」
涙目でそんなことを言うが、哀れだ。
「オレ、匙元士郎って名前でな、織斑はそっち」
ラウラ・ボーデヴィッヒはオレと織斑の顔を交互に見てから織斑先生の顔を見てから、顔を赤くする。
「あ、う、その、すまん」
「くくっ、構わんよ。改めて、匙元士郎だ。クラス代表を務めている。男ゆえにフォロー出来ることと出来ないこととあるが、困りごとがあれば相談に乗ろう。とりあえずは空いている席に座るといい。一度冷静に、頭を冷やした方がいい。こういう場合は一度仕切り直した方が被害は少ない」
「あ、ああ、そうだな。そうしよう」
空いている席に座ると恥ずかしそうに顔を伏せている。くくっ、なんだ、感性は普通だ。ただの子供だ。可愛らしいものだ。クラスのみんなも微笑ましそうに見ている。慣れていない環境にテンパっているだけだな。これぐらいなら十分フォローしてやれる。一限目が終わって休み時間に入ると同時にこちらから話しかけに行く。
「ボーデヴィッヒさん、少し良いかな?」
「むっ、何か用か?」
「なんとなくだが、こういう学園の雰囲気に慣れていないと感じてな。朝のような失敗を他にも犯さないで済むように軽くレクチャーした方が良いと思うのだが、どうかな?」
「どれ位の時間がかかる?」
「とりあえずは、昼休みと放課後を使うつもりだ。取り返しのつかないような失態を犯す前に聞いておいた方が良いと思うんだが」
「それは、そうだな。だが、私はやらねばならないことがあってだな」
「そうか。なら、そのやらねばならないことを先にこの時間で失態になるかどうかを、次の休み時間に修正案を説明しよう。ここはドイツとは全く違う法律や決まりで運用されているからな。オレは男だからか、その辺を詳しく説明されているからな」
「なるほど。確かに任せた方がいいだろうな。よろしく頼む。だが、ここではな」
「ああ、任された。話しにくいのなら筆談で、それもドイツ語で
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