導く蛇
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ちゃってるし、僕は男って」
「こんなんでどうにかなると思ってるのかデュノア社。本気で頭が腐ってるぞ、女性権利団体。フランス政府はご愁傷様」
「とっとと拉致ろう。これ以上はこっちの頭と胃が心配」
トイレに局所的な結界を張ってシャルロット・デュノア以外誰も居ない状況を作り出し、個室から出て来た所で気絶させてから記憶を漁り予約してあるホテルに連れ込む。ISを回収し、椅子に拘束する。それから気付けを行う。
「目が覚めたかね、シャルル・デュノア君。いや、シャルロット・デュノア君と呼んだほうがいいかね」
「なっ、何を言っているんだい?」
「まずは君を連れ去ったことと君の事情は全て調べさせてもらったことを詫びておこう。そして我々は女性権利団体が邪魔な者達とだけ言っておこう。あの矛盾した老害どもは排除する必要がある。そのためには君に悲劇のヒロインを演じてもらう必要がある。その下手な演技は徹底的に指導することになるだろうが」
「……そんなに下手だった?」
「まだ子供の方がマシだな」
落ち込むが放置だ。
「それにこの件を蹴ってハニートラップを仕掛けると君の命の保証はない」
「命の保証!?」
「まずはこの映像を見たまえ」
デュノアに見せるのは先日のオレと簪の試合だ。映像を見始めると最初は驚いた顔をするだけだったが、徐々に顔が引きつり始めた。
「ちなみにこの二人は結婚を前提に付き合っている。何が言いたいか分かるな」
「十分に分かったよ」
「そして織斑の方だが、奴は今孤立している」
「孤立?」
「織斑に懸想している、意味はわかるか?」
「ええっと、微妙です」
「織斑のことが好きな奴らが非常識な行為を繰り返して、それに対して有耶無耶な対応しかできていないことで孤立しているのだ。比較対象の匙元士郎はちょっと好みや趣味が変わっているが優等生で社交性もあるからな。だが、孤立していることすら気づいていない。その上で聞くが、心が耐えられるか?」
「そんなに酷い?」
「報告書を読む限りでは酷いな」
本当は傍で見ていてなんだけどな。あれは、酷いな。イッセーより酷い。
「無理そうです」
「だろうな。そこで君にはデュノア社と女性権利団体の非道を世界に知らしめる役目を負って欲しいのだよ。無論、それが済み次第、君の希望通りになれる道を用意しよう。そのまま学園に通ってもらっても構わないし、戸籍の改竄、亡命だろうと何でも請け負おう。無論生活に必要な金も用意する。働きたいというのなら職を紹介しよう」
少しだけ考えさせて欲しいというので仮の住居をD×Dに移し、世間では行方不明となってもらうことにした。どういう答えを出すかはわからないが、是非とも協力してもらいたい
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