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雷と鉄と妖と
第五話:雷との出会い:
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て、尻尾を更に強く掴んだ。
「やぅっ!」
「・・・へぇ?いい声で啼くなぁ」
「ちょ、ちょっとラクサス・・・」
エバが見かねて止めようとしたが、ラクサスは物凄く楽しそうで。
「面白ぇなぁお前・・・えぇ?」
「んぅっ!さ、わんな・・・ぁぅっ」
人が周りにいるのなどおかまいなしに、スバルの尻尾を握ったりさすったりしている。
「も、やぁっ・・・」
頬が紅潮し初めて来たスバル。
楽しそうなラクサス。
おどおどする周り。
そして???。




「何やってんだ」


クエストから帰って来たガジルと、相棒のリリーがいた。
「ガジル!」
レビィが助かった!と言わんばかりの表情でガジルの名を叫ぶ。
ガジルの表情は、なんとも不機嫌そうな表情だった。
「・・・そいつに何やってんだよお前」
ガジルの問いかけに、ラクサスは怪しい笑みを浮かべた。
「何って、遊んでんだよ。こいつ面白いぜ?」
「お前ごときがそいつで遊んでんじゃねぇ」
ガジルはそう言って、荷物を床におくと、右手を鉄に変えた。
「返せ」
「・・・何だお前、嫉妬でもしてんのか?」
「返せって言ってんだろうが。そいつはお前のじゃねぇんだよ」
「じゃあ誰のだ?お前のか?」
「いいから返せっつってんだろうが!」
怒鳴り声を上げると同時に、ガジルの鉄竜棍がラクサスに向かって放たれた。
それを避けた拍子に、ラクサスの腕からスバルが離れる。
腕から離れたスバルは、少しよろめいた状態でガジルの方に駆け寄った。
「ガジ、ル・・・」
涙目でガジルの名を呼ぶと、ガジルの腕がスバルの後ろにしっかりと回った。
「大丈夫か?」
「・・・ん・・」
ガジルの問いにコクンと頷くと、安心したように息を吐くガジル。
腕を元に戻して荷物を持ち、いつものようにスバルを担ぐ。
「もうこいつに触んなよ」
そう言って、ガジルはフェアリーテイル内ではなく外に歩いて行った。
「・・・ックク」
それを見たラクサスは、何が面白いのか、小さな声でずっと笑っていた。
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