第74話忌々しい記憶
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弾切れを起こしたらしく、餓丸は慌てて新しいマガジンを取り出すがーーー間に合わないぜ。
「こんだけ近ければ当たる!!」
オレは牽制として《FN FiveSeven》で5回発砲して、餓丸にマガジンの装着を阻止した。
武器が軽いからか、今はキリトより剣を速く振れる気がするぜ。何かやべぇなーーー
「負ける気がしねぇ」
オレは《FJBXー04A》の背を肩より後ろに構えて駆ける。この挙動は二年間剣を振るって染み着いた技の中で、オレの一番得意な剣技。両手剣ソードスキルーーー
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
《アバランシュ》が餓丸の左首筋を捉え、その身体を一刀両断してーーー餓丸を赤い光の破片と化した。
オレの勝ちだ。もう剣を納めよう。オレは《FJBXー04A》を背中にーーー
「・・・またやっちゃった」
スイッチは切るだけでいいのに、二年間のフルダイブ恐っ。そしてオレの頭上にオレの勝利を祝福するファンファーレが鳴り響く。勝ったのはいいけどーーー
「はぁ〜・・・しんどっ!!」
あまりに疲れる戦いだったため、地面に座り込んでしまった。この恐ろしく疲れる戦闘があと四回ーーーそう心の中で愚痴を溢し、オレは戦闘前までいた空間に自動転送された。
******
辺りを見渡せば、休憩スペースにもなる選手控え室にいた。そこにはシュピーゲルがいて、彼が見ているモニターを探す。多分彼が見てるのはシノンの試合だ、この中にはーーー
【お前・・・本物、か?】
「ッ!?」
突然後ろから機械質な声が聞こえて、オレは驚きのあまりに左に大きくジャンプする。オレが立っていた場所にいるのはーーー両腕に包帯を巻き、黒いボロボロのマントに身を包み、赤い目の骸骨のマスクを被ったーーー体格から見て男だ。いつの間に後ろにいたんだ?接近されたのに全く気が付かなかった。それよりーーー本物って何だ?
「本物って、どういう意味だ?あんた誰だよ?」
そう質問したら、ボロマントの男がオレの至近距離まで近付いてきた。オレは思わず《FJBXー04A》を握る手に力を込める。そしてボロマントの男は顔を近付けて言い放つ。
【試合を、見た・・・剣を、使ったな?】
「あ、ああ、使ったぜ。別にルール違反じゃないだろ?」
そう返答したら、ボロマントの男はさらに顔を近付けてきた。
【もう一度、聞く・・・お前は・・・本物、か?】
こいつーーーオレを知ってるのか?この赤い目の男、知ってる気がする。間違いない、絶対どっかで会ってる。もしくは特徴がよく似た人間の写真などの情報を目にしたことがある。でもどこでだ?どこでこいつに会ったんだ?そう脳内検索をしていたら、ボロマントの男が右手をあげてシステ
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