第31話
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
課題内容を一通り消化したリィン達は通信で来たレーグニッツ知事による追加課題―――宝飾店の盗難事件の調査の為に、宝飾店に向かった。
〜ガルニエ地区・宝飾店”サン・コリーズ”〜
「すみません、あなたが宝飾店の責任者でしょうか?」
「僕達、帝都庁から盗難報告について話を聞いてきたんですけど……」
「え、ええ……私がここの店長ですわ。ということは、皆さんがトールズ士官学院の……」
リィンとエリオットに話しかけられた宝飾店の店長は恐る恐る尋ね
「はい、特科クラス”Z組”、A班の者です。」
「ああ、よかった――!これでうまくいけば、”紅蓮の小冠”も―――」
マキアスが名乗ると店長は明るい表情をした。
「”紅蓮の小冠”……それが被害に遭った品の名か。」
「ええ、嵌められた最大級の紅耀石が見る者の心を奪う―――今回の展示の目玉も目玉―――その価値は1億ミラとも言われる国宝級のティアラですわ!」
「い、一億ミラ………」
「それはとてつもない被害ね。」
「あれって、そんなにしたんだね。」
ラウラの質問に興奮した様子で答えた店長の話を聞いたエリオットは驚き、レンとフィーは目を丸くした。
「あ、ああ……正直想像もつかない額だな。だがまさか、盗まれてしまうなんて……」
「ですが、一体どうやって?確か、今回の展示に合わせて最新鋭の導力防犯システムを搭載したと聞いたのですが……」
「ううっ……それは偏に私どもの不手際が招いた結果ですわ。防犯システムには何の不備もございませんでしたが……かの”怪盗B”にまんまと上を行かれてしまいまして。」
「”怪盗B”って、あの――――」
「噂はあったが、まさか本当に現れるなんて……」
店長の話を聞いたエリオットは目を丸くし、マキアスは驚き
(うふふ、クロスベルに続いて帝国にも現れるなんて、言葉通り”神出鬼没”ね♪)
レンは小悪魔な笑みを浮かべていた。
「”怪盗B”……どこかで聞いたことがあるような……」
「エリオットとマキアスは知ってるんだ?」
リィンが考え込んでいる中、フィーは犯人に心当たりがあるエリオットとマキアスに尋ねた。
「う、うん……帝都では結構名の知れた盗賊だからね。」
「確か……『美の解放活動』だったか。数年前、自らの盗賊行為にそのような名前を付けて、世間を騒がせたこともあったな。その手口は大胆かつ華麗で、一部に熱狂的なファンすら存在するそうだ。」
「そうか、思い出した―――確か帝国軍から、導力戦車すら盗み出したとんでもない盗賊だよな。」
「うん、その話は有名だよね。」
「ふむ、それなら私も
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ