第31話
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B”こと『怪盗紳士ブルブラン』という。ブルブラン男爵は、あくまで仮初の姿に過ぎない。ちなみに……いつから見破っていた?」
エリオットとマキアスが驚いている中ブルブランは大げさに頭を下げて会釈をした後興味ありげな表情でリィンを見つめた。
「見破るもなにも……わざわざクリスタルガーデンで姿を現したくらいだ。あなた自身、本気で正体を隠そうとしていなかっただろう。変装に関しては、見事としか言いようがないけど……これまでの行動パターンを考えるとこの辺りでもう一度、様子を見に来るんじゃないかと思ってね。」
「フフ、なるほど―――いい読みだ。」
(クスクス、ロイドお兄さんといい、この鋭さが恋愛方面に発揮されないのが不思議なくらいね♪)
リィンの説明を聞いたブルブランは感心し、レンはからかいの表情になった。
「でも、一体どうしてこんなことを……」
「フッ、知りたいかね?」
エリオットの疑問を聞いたブルブランは髪をかきあげて問いかけたが
「いや―――これ以上、ここであなたと話すつもりはない。」
「とりあえず泥棒は泥棒。」
「ああ、我らから逃げられると思わぬことだ。」
「うふふ、そう言えば貴方とは直接剣を交えた事はなかったわね♪」
リィン達はブルブランを拘束するつもりでそれぞれ身構えた。
「フフ、威勢のよいことだ。」
リィン達の様子を見たブルブランが静かな笑みを浮かべたその時ブルブランはまるで瞬間移動をしたかのようにその場から消えて、別の場所に現れた!
「な!?」
「今のは………一体どうやって。」
「フフ、ちょっとした隠し芸のようなものだ。とにかく、此度はもう存分に愉しませてもらった。諸君らの活躍、これからも期待している。――――どうか次なる邂逅を楽しみにしてくれたまえ!」
そしてブルブランはリィン達に恭しく頭を下げた後その場から消えた!
「また……」
「くっ……妙な術を使う。」
「もしかするとまだ近くに……とりあえず探してみよう。」
その後、リィン達は怪盗Bの行方を追う見つかることはなく―――事件のあらましを帝都内に伝えた上で、宝飾店に報告を行うのだった。
〜ガルニエ地区・宝飾店”サン・コリーズ”〜
「ああ―――皆さんのおかげで無事にティアラが返ってきましたわ!本当に―――なんとお礼を言ってよいのやら!」
リィン達に”紅蓮の小冠”を返却された店長は嬉しそうな表情で頭を下げた後リィン達を見つめた。
「うーん、怪盗Bの言い分によると俺達のせいでご迷惑をかけたという気もしますが……」
「いえ―――そんな事はありませんわ。だって、怪盗Bのすることは元々そのほとんどが意味不明……き
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