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英雄伝説〜菫の軌跡〜(閃篇)
第31話
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だな……」

「うん、でも頑張って探さないとね。」

内容を知ったレンは意味ありげな笑みを浮かべ、マキアスは溜息を吐き、エリオットは呟いた。

「フフ……諸君、また会ったね。」

「この声は……」

するとその時リィン達にとって聞き覚えのある声が聞こえ、声を聞いたリィンは目を丸くしがした方向へと振り向くとそこにはかつての”特別実習”で出会った事があるバリアハートで出会った貴族――――ブルブラン男爵がいた。

「えっと、誰だっけ。ブル……なんとか。」

「ブルブラン男爵、ですね。」

「ああ……バリアハートの実習以来ですか。」

「フフ、未だに覚えていてくれて何よりだ。もっとも、そこの3人はお初にお目にかかるがね。」

ブルブラン男爵は大げさに頭を下げて挨拶をした後エリオットやラウラ、レンに視線を向けた。



「え、えっと……はじめまして。」

「うふふ、確かにおじさんとこうして”顔を合わせて話す”のは初めてね?」

「ふむ、軽く話にこそ聞いてはいたが……」

「今回も……”美”との出会いを探しているんですか?」

「まあ、そのようなものさ。だがバリアハートに続き、この(あか)の帝都でも君達に会えるとは……これを運命と言わずして、何と言うべきだろうか?」

リィンの問いかけに頷いたブルブラン男爵は笑顔を浮かべてリィン達を見つめ、ブルブラン男爵の発言にリィン達は冷や汗をかいて呆れた。



「それは知りませんが……」

(あはは……何というか変わった人だね。)

(ああ、それもかなりな。それにしても、気配をまったく感じなかったが……)

「フフ、私の顔に何かついているかね?それともまさか―――見とれていたのかな?」

真剣な表情のリィンに見つめられたブルブラン男爵は静かな笑みを浮かべた。

「そんなわけがありませんから……」

「フフ、まあいい。今日は私も少々忙しいので、この辺で失礼させてもらおう。それでは――――諸君らの健闘を祈らせてもらう。」

そしてブルブラン男爵はリィン達から去って行った。



「……行ったみたいだね。」

「ふむ、あの男性は一体我らに何を言いたかったのだ?」

「さあ……何だろうな。(ブルブラン男爵、か……)」

(クスクス♪)

ラウラの疑問を聞いたリィンは考え込み、レンは小悪魔な笑みを浮かべていた。その後怪盗Bの謎かけの解読をしていったリィン達はついに”紅蓮の小冠”があると思われる場所である導力トラムに向かい、運転手に事情を説明して中を調べると”紅蓮の小冠”が入っていると思われるトランクが置いてあった。



〜導力トラム内〜



「どうやら、このトランクが『黒き匣』みたい
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