暁 〜小説投稿サイト〜
GATE 株式会社特地電工 〜彼の地にて 斯く戦えり〜
第一部
事務所が無い?!その1
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そんな人間だから、「異世界へ出向だ」と言われたとき、不覚にも少しワクワクしてしまったんだ。

 ときめいちゃったもの。ラノベみたい!



 新幹線車内にアナウンスが流れた。もうすぐ東京駅に着く。



 見たことのない新しい世界へ、ドキドキが止まらない。

 聞いたこともないファンタジーな出向先で、何が起きるのか?そんなところで私のする業務は何なのか?


 何もわからない、しかし不安はない!


 出向=サラリーマン出世街道から脱落、イチヌケタ、周りからイタイヤツ扱いでも良いじゃないか。だってなんだかんだ言っても、来月も給与は出るんだもん。出向手当とかで増えるかもしれん。そんなちっぽけな自分の人生とか生活とか、危険とか身の安全なんかどうでもよくなっちゃって、


 「異世界」とはどんなところなのだろうか? 面白そう、見てみたい!
 
 そう思っちゃったんだもの。世間の「えっ?そっち?」っていうツッコミが目に浮かぶようだ。




 そんな単純で子供っぽい感情をスーツに包み、ぱっと見はサラリーマンを装って、これから異世界の出向先に、お土産を持って着任挨拶に伺うのである。



 いま、たぶん、油断すると顔が半笑いで緩みっぱなしだ。いかんいかん、バレないようにしないと。





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