第2章:異分子の排除
第32話「桜VS簪&本音」
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器は既に斬られた。なら、後は“技”で勝負...!)」
勝てないなら、勝てないなりに。
そう思って、自身の扱える“風”と“水”の力を存分に振るう。
「シッ!」
「っ.....。」
弾幕を避けきれずにSEが少しずつ削られながらも果敢に桜を攻め続ける簪。
しかし、それでも当たらない。
「まだ、まだっ...!」
「っ、っと。......!」
キィイイン!
何度ブレードを振るったのか。
試合中にも簪の技術は上がり、ようやく桜に防御をさせた。
...しかし、それまでだった。
「...やはり。やはりいいな...。こういう、可能性の成長ってのは!!」
「っ...!?なっ...!?」
音もなくブレードが振るわれる。
その瞬間、簪のブレードが細切れになり、SEがなくなった。
「かんちゃん!?」
「嘘...!?一瞬....!?」
SEがなくなり、地面に落ちる。
まさに一瞬の出来事。その一瞬で桜はブレードのみで簪のSEを削り切ったのだ。
「だが...それは後に取っておこうか。」
「っ....!」
余所見している暇はない。そう思って桜に向き直る本音。
だが、既に遅かった。
「(速っ!?全然見えなかった...!?)」
気が付けば吹き飛ばされ、SEはゼロ。
...勝敗はもう決まっていた。
「..........。」
...決着は、あまりに呆気ないものだった。
「...終わったか...。」
「こ、ここからでも見えなかったんだけど...。」
試合待機場所で、秋十と静寐はそういう。
「一瞬...ほんの一瞬とはいえ、桜さんに本気を出させたか...。」
「一人でもあそこまで強いなんて...勝てるかな....?」
あまりの強さに、静寐は既に戦意喪失しかけていた。
「大丈夫だ。当たるのはまだ先だし、簪と本音もあそこまで善戦した。何とかなるさ。」
「...だといいんだけど...。」
それでも本気を出したのは一瞬。
そう考えると、やはり不安は拭えない静寐だった。
「.....一回戦負け...。」
「お、落ち込まないでよかんちゃ〜ん...。」
一方、試合に負けた簪は、相手が相手といえ、一回戦負けした事に落ち込んでいた。
「...山嵐を使う隙を作れなかった...。」
「ん〜...さくさくが相手ならむしろ使った方が厳しいと思うよ〜?」
「....そうなんだけど、せっかくの武装が...。」
最大火力を誇る“山嵐”が
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