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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#7
SILVER CHARIOTU 〜King Crimson〜
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ろ」
 驚愕する祖父を後目に、その実孫は冷静な視線でスタンドを見据える。
そのライトグリーンの瞳に映るモノは、
中心点を寸分違わず貫かれた銀貨の表面で、それぞれ燃える炎。
 通常の(ことわり) を遙かに超越した光景。
 そのコトに、スタンドの間近にいた少女も同時に気づく。
(コインとコインの間、ソコに炎を取り込んでる……!
それは、つまり)
 その解答を、白銀の騎士を傍に携える 『スタンド使い』 が口にする。
「コレが一体どういう意味を持つか解ったようだな?
オレのスタンドが繰り出す斬撃は、
空気を切り裂き空と空の間に “溝”
乃ち 『真空』 を生み出す事が出来るというコトだ。
ここまでの業前(わざまえ)、果たして君にお有りかな? お嬢さん」
 そう言ってスタンドが軽く右手を引くと同時に、
剣針に突き刺さっていた銀貨と炎が何の抵抗もなく抜け落ちる。
(……ッ!)
 澄んだ金属音を傍で捉えながら少女の眼前の男の想像を絶する剣技に、
その口元を軋らせる。
「是是火!? 忽然子始着火!! 的火燭〜〜〜〜ッッ!!」
 背後から、若い男の声がした。
 店のウェイターらしき男が両断されて炎上する円卓を見みながら
しきりに大声をあげている。
(ちょっと調子に乗って騒ぎ過ぎたか。ここは封絶……)
 そのウェイターを視線の隅だけで捉えた少女。
「ッッ!!」
 しかしその次の瞬間には、もう目の前の男はソコにいない。
「……」
 傍にいた騎士のスタンドもいつのまにか立ち消え、
銀髪の男は半開きになった店の扉にその背を預けていた。
「いつの間に外に……」
 頬を伝う冷たい雫を感じながら、少女は言葉を零す。
 その様子を見据えながら男は少女に、否、
その後方にいる3人も含め静かに告げる。
「オレのスタンド、「戦 車(チャリオッツ)」 のカードの持つ暗示は
“侵略と勝利” こんなせまっ苦しい所で始末してやってもいいが、
貴様等の 『能力』 は広い場所の方がその真価を発揮するだろう?
ソコを正々堂々迎え撃ち、そして討ち果たすが我がスタンド、
銀 の 戦 車(シルバー・チャリオッツ)』に相応しき勝利……」
 そこで銀髪の青年は一度言葉を切って瞳を閉じ、
不屈の信念をその裡に宿らせて再び青い双眸を見開く。
「全員おもてへ出ろ!! 順番に斬り裂いてやるッッ!!」
 一対四という余りにも不利な状況に微塵も臆するコトもなく、
鮮鋭な声でそう叫んだ。
「!」
「ッ!」
「―!」
「!!」
 その声に誘発されるように、それぞれの闘争心を燃え上がらせて
青年の後を追う4人の戦士。
 その中でただ一人。
(むう……アノ者……)
 少女の胸元で揺れる深遠なる紅世の王だけが、
感歎したような
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