第73話敗北を告げる弾丸の味
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「ど、どうも、初めまして。えっと・・・シノンの、お友達さんですか?」
「騙されないで。男よ、そいつ」
「え!?」
「ライリュウっていいます。アバターは女なんですけど・・・性別反転事故でこうなっただけなんで、現実のオレはれっきとした男です。シノン・・・さんにはここまで来る途中でお世話になっちゃって」
とりあえず妙な誤解を受ける前に事情を説明しよう。とりあえずシュピーゲルは納得してくれたみたいだな。シノンは怒り心頭寸前だけどーーーなんて考えていたら、この空間に眩しい照明と大音量の音楽が流れた。
【大変長らくお待たせ致しました。只今より、第三回《バレット・オブ・バレッツ》予選トーナメントを開始致します。エントリーされたプレイヤーの皆様は、カウントダウン終了後に、予選第一回戦のフィールドマップに自動転送されます。幸運を、お祈り致します】
この《バレット・オブ・バレッツ》開始のアナウンスが鳴り終わったのを切っ掛けに、この場にいるプレイヤーたちが雄叫びをあげたり、銃器を天井に向けて打ち上げ始めた。肝心の試合ですぐに弾切れしたりしないかなと思ったが、それならそれでいくらか戦闘が楽になるから放っておこう。そしたら突然向かいの席に座っていたシノンが立ち上がり、オレに指を向けてきた。
「決勝まで上がって来るのよ!その頭、すっ飛ばしてやるから!!!」
宣戦布告。そんなことをされたら、応えない訳にはいかない。オレは席を立ち、シノンに対し笑みを向ける。
「お招きとあらば、参上しない訳にはいかないな。決勝で会おう」
「こ、この・・・!!」
右手をあげて席から離れ、自動転送されるのを待つ。後ろを見てみると、完全に多分マジギレ一歩手前の表情を露にしているシノンーーーと、若干オレを睨み付けているシュピーゲルが見えた。あんまり刺激しないように話してたつもりだったけど、思ってたよりやりすぎてたみたいだなーーーその刹那、オレの身体を光が包み込んでいた。
目が覚めれば足下以外は完全に真っ暗な試合前の空間だった。対戦カードはーーー
【RairyuVS餓丸、フィールド:失われた古代寺院】
餓丸って奴がオレの対戦相手かーーー早速武器を装備しようと。オレはアイテムストレージから《光剣》の一種、《FJBXー04A》とハンドガン《FN FiveSeven》をそれぞれ腰に装備する。
それにしても、シノンのあの言葉には本当に驚いた。まさかとは思うけどーーー
『強い奴らを全員殺してやる』
ありえるのかな、あの子が死銃なんてことが。出来れば、そんなことがあってほしくない。武器屋やバギーで楽しそうに笑っていたシノンと、さっきの黒い笑みを浮かべていたシノンーーー彼女の本当の顔は、一体どっちが本物のシノンなん
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