機動戦艦ナデシコ
1420話
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部屋にあったコンピュータに差し込んだハッキングプログラム用の機器は非常に小さい。それこそ指先程の大きさしかないのだが、この機器を作ったのもシャドウミラー技術班なので、こんな小ささでも容量は桁違いに大きい。
何だったか……ヨタバイトって単位だって話だったな。
ちなみに1000ギガが1テラ、1000テラが1エクサ、1000エクサが1ゼタ、1000ゼタが1ヨタだったか。
まぁ、つまりこの大きさでもちょっと洒落にならない大きさの記憶容量を持っているという訳だ。
普通機器の方がそんなに大きければ、ハッキング先のコンピュータの方で認識出来なかったりする事もあるんだが、その辺はシャドウミラー技術班謹製のハッキングプログラムと言うべきか、その辺も全く問題なく侵入する事が出来ていた。
そして現在はデータを吸い取っている最中なのだが……
「あ」
ふと、とある事に気が付き言葉を漏らす。
その声が聞こえたのだろう。扉の近くで外の様子を窺っていた神楽坂が、俺の方へと視線を向けてくる。
「どうしたの?」
「しっ! お前ももう少しで気が付く筈だ。感覚を研ぎ澄ませろ」
そんな俺の言葉に、神楽坂は不思議そうにしつつもそっと目を閉じて五感を――視覚を封じてるから四感と呼ぶべきか――研ぎ澄ます。
そして数秒。
「あ」
俺が出したのと同じ言葉を口にする。
……そう、この部屋の方へやってくる足音を耳にして。
それが人の類であれば、誤魔化すのはそう難しい話ではなかっただろう。
だが、この足音は金属音であり、しかも足の音も二本だけのものではない。
つまり、これは間違いなくバッタな訳だ。
いや、実はバッタ以外のジョロとかの小型化した奴だって可能性もあるけど、ともあれ人間でないのは確実だった。
「どうするの?」
「大人しくしてろ。データの吸い取りが終わるまではもう少し掛かるから、それまでここに入ってこない事を祈るしかないな。もし入って来たら……」
そうなれば、恐らくバッタは破壊される事になる。
もしバッタが破壊されれば、当然ここで何か異常が起きているというのは理解出来る筈であり……
純粋に何かを調べていただけなら、コンピュータの電源を切って影のゲートに一時的に身を沈めれば問題はないんだが、今はデータを吸い取ってる最中だしな。
それを考えれば、今この状況でコンピュータを消す訳にはいかない。
いっそここから離れて他のコンピュータに……とも思ったが、ここが怪しいとなれば、当然他の場所の警戒もするだろう。
電源を即座に切るのは、ハッキングツールの方でやってくれるから、データの吸い取りさえ終われば……そう思った瞬間、ピピッと小さく音が鳴る。
来た!
この音はデータの吸い取りが終わった
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