第121話
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ワジは興味深そうな表情でロイドを見つめた。
「例えば俺達はキーアを取り戻すという”信念”……リーシャはイリアさんを絶対に助け、アルカンシェルに戻るという”信念”………そして局長達はクロスベルを支配し、繁栄させるという”信念”……………―――――君達の”信念”……いや、”想い”は本当にあったのか?”結社”や”赤い星座”……そして全ての黒幕であったディーター大統領によって滅茶苦茶にされているクロスベルは本当に守る価値があったのか?」
「…事……って……いました………」
ロイドの言葉を聞いたノエルは小声で呟き
「え?」
ノエルの言葉を聞いたロイドが呆けたその時
「そんな事ぐらい、最初からわかっていました!でもあたし達は!クロスベルを守る軍人で!ギュランドロス司令達みたいな強い”力”や”想い”も持っていなくて!今のクロスベルを守る為にはそうするしかなかったんです!」
ノエルは涙を流してロイド達を見つめて叫んだ!
「ノエルさん……………」
「「…………………」」
ノエルの言葉を聞いたティオは辛そうな表情をし、ランディは目を伏せ、エオリアは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「その結果がこれですよ……………………いくらアリオスさんや”赤の戦鬼”、”結社”がいるとはいえ、メンフィルも加わった司令達に勝てるわけありませんし、残りの”神機”も破壊される事が目に見えていますよ…………………いずれディーター大統領はギュランドロス司令達によって失脚させられ……クロスベルは変わるでしょうね……………最もこんな所ではどんな風に変わるのか見る事もできませんが……」
そしてノエルは疲れた表情で溜息を吐いた後、寂しげな笑みを浮かべて言った。
「……………―――――だからこそ君は見るべきだ。クロスベルが今後どんな風に変わっていくのか。」
その時考え込んでいたロイドは真剣な表情でノエルを見つめて言い
「え……………」
ロイドの言葉を聞いたノエルは呆けた。
「”教団”の件で俺達は2度とあんな事を起こさない為にも権力に屈せず”真実”を追求すると決めた。そして今のクロスベルが間違っていると気付いていても目を逸らし続けた君だからこそ、今後のクロスベルはどうなるか見て、間違っていると気付いているのなら間違っている人達に気付かせるべきだ。それが犠牲になった警備隊員や警官、そして市民達に唯一できる”贖罪”だ。――――違うか?」
「…………………!」
(そう…………キーアの”贖罪”の一つも同じ理由……………キーアのせいで全て変わってしまったクロスベルを………ゼムリア大陸を見続ける事…………………)
真剣な表情で言ったロイドの話を聞いたノエルは目を見開き、キーアは目を伏せて黙り込んでいた。
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