二回戦の前に
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「角谷生徒会長。」
梨華は角谷生徒会長を呼び止めた。
「角谷生徒会長、折り入って頼みがあるのですが、よろしいですか?」
「どうしたの。」
「私たち遊撃隊は三回戦から出してください。」
「どうしたの急に。でもさそれをして負けると困るんだよね。」
それにたいして梨華が、
「廃校になるからですか?」
と聞いた。
「どうして梨華ちゃんが知っているのかな?」
すると梨華は文科省から大狩家に送られてきた手紙を見せた。
「戦車道において優秀な成績を修めていない学校は廃校か合併する。大洗は今まで一度も良い成績を出していないから廃校になると思ったんです。」
「だったら負けられないことも分かっているじゃん。なのにどうして。」
「アンツィオ高校に自力で勝たないと、プラウダ高校、白河女子高、北海学園、黒森峰女学院には私たちが協力しても勝てる確率は低いです。」
「そうかもしれないけど。まあ考えとくわ。」
「それから昨日行われた、国立白河女子高等学校vs県立青葉女子学園の試合は国立白河女子高等学校の圧勝だったそうです。そして現在のベスト8進出校は聖グロリアーナ女学院、国立北海学園、ヴェネツィオ女子学園、黒森峰女学院、国立白河女子高等学校です。」
普段聞かない国立北海学園の名前を新聞で見たときは、私も驚きましたよ。
「梨華ちゃんはまだ聞いてないか。今日のルール女子工業高校vsi高校は開始直後にルール女子工業高校の勝ちが決まったみたいだぞ。」
「今のところは去年と同じなんですね。ところで今は何をしているんですか?」
いつもだったら練習をしている時間の筈なのに、何処にも練習をしている姿が見えないので聞いてみると、
「大洗に残っている戦車探し。梨華ちゃんもやる?」
「遠慮します。」
梨華が苦笑いで答えた。
「そうか残念やな。話はそれだけ?」
「ハイそうです。スミマセン長くなって。」
「いいよべつに。」
梨華が歩いて帰ろうとすると、
「そう言えば、青葉女学園から転校生が来るらしいから。しかも奥州流の。」
「へー、奥州流の。まだ残っていたんですか。」
「大狩流に近い流派だって聞いてるけど。違うの?」
と質問してくるが、梨華の反応は、
「今の大洗に必要なのは大狩流でもなく、奥州流でもない。必要なのは西住流です。ですから知らなくてもいいとおもいますよ。では失礼します。」
梨華が角谷生徒会長から離れていくと、後の小屋から、
「角谷生徒会長、もうドキドキしてバレてしまうかと緊張してました。」
後から見たことのない制服の少女が三人いた。
「だってその方が面白いじゃん。」
「・・・生徒会長の意地悪。」
「アイツをいつか絶対抜かしてやるんだから。」
そうこの三人こそ県立青葉女学園から転校してくる少女たちなのだ。
「あんたたちは三回戦が
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