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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百四十一話 ケスラー艦隊
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た。
軍務省へ到着すると、受付まで案内役が迎えに来ており、軍務尚書室へ直ぐさま案内された。
「ケスラー中将閣下でいらっしゃいますね。小官はエーレンベルク元帥の副官フォン・ルーデンドルフ大佐であります。閣下をご案内にまいりました」
「御苦労」


「元帥閣下、ケスラー中将閣下をお連れしました」
「入りたまえ」
その声で、ルーデンドルフ大佐が扉を開き、ケスラーを案内してコーヒーを入れると外へと出て行った。

尚書室に入ると、エーレンベルク元帥が旧式単眼鏡をかけながら椅子に座って待っていた。
「元帥閣下、ケスラー中将であります」
「中将、良く来てくれた。其処に座ってくれ」

エーレンベルク元帥がコーヒーの置かれた応接セットに移動しながら、ケスラーにも対面して座るように言う。
「はっ」

エーレンベルク元帥がコーヒーの香りを楽しみながら、話し始める。
「中将、軍用コーヒーと言う物は、香りは何とか成るが、味が泥臭い感じがするのは、気のせいかな」
「小官には何とも言えない物です」

ケスラーもエーレンベルク元帥の言葉にあまり応えるすべがない。
エーレンベルク元帥は、ケスラーの困惑した顔を見ながら、苦笑いしながら話してくる。
「ハッハ、中将、卿でも苦手な事があるとは、此は傑作だな」

「元帥閣下」
「ハッハ、すまんすまん、卿が困惑しているだろうから少々からかいたくなっただけだ」
なんて根性悪な元帥だと思いながらも、今回の件でエーレンベルク元帥が何か知っていると判ったのでその旨を聞きに入る。

「元帥閣下、今回の人事ですが、いったい何があったのですか?」
ケスラーの問いかけにエーレンベルク元帥が言いにくそうに話し出す。
「皇帝陛下だ」

エーレンベルク元帥の答えにケスラーも驚くの声を上げる。
「皇帝陛下と申しますと」
「最近、ヴァンフリート星域に叛乱軍の艦艇が出入りしていることが確認された。その為に諜報部、フェザーン、叛乱軍内の協力者等に確認をした結果を陛下に言上した結果。『どうやら前線基地を作っているのでは』とのお考えなのだ」

皇帝陛下の言葉と言うよりはテレーゼが原作知識を使って偶然を装ってヴァンフリート星域の哨戒をした結果も含まれているのであるが、エーレンベルク元帥もケスラーもそれはわからない。

「流石は陛下でいらっしゃいます」
「左様、この所の陛下のお考えは真に素晴らしき事ばかりだからな」
エーレンベルク元帥もケスラーも頷く。

「しかし、何故小官に宇宙艦隊司令官を?」
「それも、陛下のお考えでな」
「陛下の」

ケスラーにしてみれば、皇帝陛下の御側に仕えているのにもかかわらず、何も教えてくれなかった陛下やグリンメルスハウゼン上級大将に遊ばれているのかという気がしていたが
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