7話 巴マミの心の在処
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誰もいない…」
「なら僕も一緒に戦います!」
マミはビクンと身体が動く。
「先輩の気持ちはわかります。僕も昔は一人ぼっちでしたから…だから僕が先輩の側にいます。先輩を一人ぼっちにはさせません」
「ほんとうに?」
マミが顔をあげると涙を溜めていた。
「ほんとうに私の側にいてくれるの?」
「はい」
「私と一緒に戦ってくれるの?」
「はい」
手をついてふらふらとまるで迷子になった子供が親を見つけたようにエミルのもとへ行く。
「私はもう一人ぼっちじゃないの?」
「僕がいます」
エミルに抱き付いた。まるで見捨てられないように強く…強く
「辛かった…お父さんとお母さんがいなくなって…」
「はい」
「寂しかった…ずっと一人で…」
「はい…」
「鹿目さん達が私から離れるのかと思っていたら心が痛くなって…」
「はい…」
「もし離れてしまったら死んじゃおうかなって思って…」
「先輩…」
「エミル君は…私の側から離れない?」
「側にいます」
その言葉を聞いた瞬間、もう我慢出来なかった。
「ずっと一人で戦って…頼れる人がいなくて…怖かった…こわかったよぉぉぉぉ…」
「うえぇぇぇぇぇぇん!!!」
マミは今まで溜めていたものを全て吐き出す。
私は独りじゃない、彼が私の側に居てくれる。
つらいことがあっても支えてくれる。それがどれだけ安心出来るか。
エミルは抱き締めて何も言わず頭を撫でる。
「ごめんねエミル君…服汚しちゃって…」
「大丈夫ですよ、これぐらい」
エミルの制服はマミの涙でグシャグシャになっていた。
「あ、そうだ」
思い出したかのようにポケットからグリーフシードを出した。
魔女の戦いで拾ったまま持っていたことを忘れていた。
「僕が拾ったままでしたので先輩にあげます」
「けど…」
「ソウルジェムがないので必要ないんです」
手のひらにグリーフシードを置いてマミに渡すが受け取らない。
「なら、エミル君…私のことマミって呼んで?」
「えっ?」
「マミって言ってくれたら受けとる」
「えっと…」
「言って」
少し強くして言う。
「ま、マミ先輩…」
「先輩はナシ!マミって呼び捨てで言って」
「ま、マミ…さん」
「うーん、さんもいらないのに…」
「こ、これが精一杯です」
「仕方ない後輩ね」
くすりと笑ってグリーフシードを受けとる。
「今はそれで許してあげる♪」
マミは笑顔になった。
「ご飯まだだった
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