第三百五十五話
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第三百五十五話 魔女は何か
梨花はある日塾で今田先生にクラウンの他のメンバーと一緒にあることを言われた、その言われたことは何であったかというと。
「魔女は魔法だけではありません」
「魔法を使うから魔女じゃないんですか?」
すぐにだ、梨花はメンバーを代表して今田先生に尋ねた。
「箒でお空を飛んだりして」
「確かに魔女は魔法を使います」
先生もこのことは肯定した。
「そして箒でお空を飛びますね」
「だから魔女じゃないんですか?」
「それだけではありません」
今田先生は穏やかな声のまま梨花に答えた。
「頭です」
「頭?」
「はい、頭を使ってです」
そのうえでというのだ。
「ことを進めていく女の人がです」
「魔女なんですか」
「男の人は魔法使いになります」
性別が違うと、というのだ。
「その場合は、魔法もです」
「ただ使うだけじゃないんですね」
「どんな魔法を何時どうして使うのか」
「このことを考えてですか」
「そしてです」
先生は梨花だけでなくクラウンのメンバー全員に話した。
「魔法は使うべきで時には」
「頭だけを、ですか」
「使うことも魔女なのです」
「魔女は頭なんですね」
「はい、頭を効果的に使うことが魔女なのです」
「頭を使うことですね」
「的確な時に的確なことを考えることです」
先生は梨花達に頭の使い方をある程度具体的に話した。
「それも冷静に、です」
「落ち着いてですね」
「落ち着いていないと的確な答えは出ません」
このことも言う先生だった。
「頭を冷やすといいますが」
「それも大事ですか」
「慌てたり頭に血が上ったままではいい考えは浮かばないし決められないです」
「冷静なってですか」
「状況を踏まえて何をすれば一番いいのか」
「そうしたことを考えていくべきですか」
「それが魔女なのです」
先生はあくまでだ、クラウンのメンバーに穏やかで話すのだった。
「このことは覚えておいて下さいね」
「わかりました」
梨花は先生のその話に頷いた、そしてこのことは梨花だけでなくクラウンのメンバーの心と頭に強く刻まれた。
第三百五十五話 完
2016・7・2
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