第十二幕その六
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ボタンは一本の赤い木の下で仰向けになってすやすやと寝ています。ナターシャはそのボタンを見てくすりと笑って言いました。
「気持ち良さそうに寝てるわね」
「そうね」
恵梨香もそのナターシャを見てにこりとなりました。
「とてもね」
「夜からずっと寝ているみたいね」
「やっぱりそこはボタンだね」
神宝もボタンを見て優しい笑顔になっています。
「寝ている間に何処かに行っちゃうのは」
「そうだね、そして今回は狐の国に移動していたんだね」
最後にジョージが言いました。
「この子も気付かない間に」
「うん、けれど見付かったから」
カルロスはボタンのその偶然のことを今は置いておいて言いました。
「よかったよ」
「うむ、ではな」
それではとです、王様も応えてでした。
そのうえで、です、王様はすやすやと寝ているボタンに声をかけました。
「朝じゃぞ」
「あれっ、そうなんだ」
「目を覚ますのじゃ」
「それじゃあ」
ボタンは王様に応えてでした、そのうえで。
目を覚ましました、そしてこう言ったのでした。
「今日はよく寝たよ」
「そうだね、それでね」
今度はカルロスがボタンに声をかけます、微笑んで。
「周りを見てくれるかな」
「わかったよ、それじゃあね」
ボタンはカルロスに応えて周りを見ました、そしてこう言ったのでした。
「僕また何処かに移動していたんだね」
「うん、そうだよ」
「ここは何処かな」
「狐の国だよ」
「ああ、そうなんだ」
「どうしてここに来ているのかは」
「わかんなーーい」
ボタンのこうした時のいつも通りの返事でした。
「起こしてもらったらここにいたんだ」
「そうだね」
「うん、けれど皆も一緒なんだ」
「教えてもらったのじゃ」
王様がボタンにお話します。
「グリンダさんに居場所を調べてもらってな」
「そうだったんだ」
「そしてドラゴンに乗ってここまで来たのじゃ」
「わかったよ」
どうして皆が自分を迎えに来てくれたことはというのです。
「そのことはね」
「それは何よりじゃ」
「うん、それで狐の国にいるから」
「狐さん達と遊びたいのう」
王様は自分の望みをここで言いました。
「是非な」
「やっぱり王様はそう言うよね」
「そこはわかるじゃろ」
「うん、王様だからね」
オズの国でも屈指の遊び好きの人だからです。
「そうだよね」
「ではな」
「これからだね」
「遊ぶとしようぞ」
「それじゃあ狐の王様のところに行くんだね」
「そうじゃ」
まさにその通りという返事でした。
「今からあの王様のところに行くぞ」
「わかったよ」
またこう答えたボタンでした、そうしてです。
皆は狐の王様の宮殿の正門のところに行ってです、そこの
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