第十二幕その三
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「どうぞ」
「ええ、それじゃあね」
「さて、あたし達もね」
「乗ろうね」
つぎはぎ娘と木挽の馬が続きます。
「背中から落ちない様にしてね」
「気をつけてね」
「落ちることはないよ」
ドラゴンが二人に言ってきました。
「僕の背中からはね」
「そうなの?」
「グリンダ様が乗っている人は落ちない様に魔法をかけてくれているからね」
「だからなのね」
「そう、だから安心してね」
こうつぎはぎ娘にお話するのでした。
「落ちることはないから」
「それじゃあね」
「さあ、皆乗って」
ドラゴンの方からも促します。
「そしてすぐに行こう」
「よし、それではな」
王様も応えます、そしてでした。
皆ドラゴンの背中に乗りました、皆が乗ったところでドラゴンは翼を羽ばたかせてでした。地上からお空に飛び立ちました。
そしてお空に出るとでした、あっという間に空高く舞い上がってでした。
風の様に進んでいきます、カルロスはそのドラゴンの背中で言いました。
「うわ、何か」
「あっという間だね」
「そうですね」
また驚いて王子に応えるのでした。
「これなら」
「グリンダさんのお城から宮殿までもすぐだったね」
「はい、確かに」
「ドラゴンの飛ぶ速さは凄いんだ」
「この速さは」
それこそと言ったカルロスでした。
「ジェット機みたいですね」
「外の世界の文明だね」
「はい、飛行機です」
「うん、僕はジェット機は見たことがないけれど」
「そんな速さ、いえ」
カルロスはさらに言いました。
「もっと速いかも知れません」
「ドラゴンはだね」
「オズの国で一番速いですか?」
「そうかも知れないね」
王子は微笑んでカルロスに答えました。
「ドラゴンはね」
「そうなんですね、実際に」
「さて、それじゃあね」
「狐の国まですぐですね」
「着くよ」
「そして着いたら」
「ボタンに会おうね」
その彼にというです、そしてでした。
本当にあっという間にでした、ドラゴンは狐の国の前に着きました。それこそ移動にかかった時間はです。
「二十分もかかってないよ」
「それ位だね」
最初に降り立ったつぎはぎ娘と馬がお話をします。
「流石ドラゴンね」
「あっという間に移動出来るね」
「そうね、これ位速かったら」
次に降り立ったオズマも言います。
「まだボタンは寝ているかしら」
「寝られるだけ寝る子ですからね」
ジュリアはくすりと笑って彼のことをこう言うのでした。
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