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オズのボタン=ブライト
第十二幕その一
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                第十二幕  行きたい国に行っていて
 王様は朝御飯を食べてからです、皆に言いました。
「では今からな」
「グリンダに聞くのね」
「そうするとしよう」
 こうオズマにも言います。
「これよりな」
「そういえば王様もね」
「そうじゃ、カドリングの主であるグリンダさんとはな」
「お友達ね」
「そうなのじゃよ」 
 オズマがグリンダとそうであるのと同じで、です。
「非常に頼りになるお友達じゃ」
「それならね」
「うむ、連絡をしよう」
 こう言ってでした、王様は。
 その手に携帯電話を出してでした、すぐにグリンダに連絡をしました。
 グリンダが電話に出るとです、まずはお互いに挨拶を交えさせてでした。そのうえで王様からグリンダに聞きました。
「実はボタン=ブライトが今朝までわしの宮殿にいたのじゃが」
「いなくなったのね」
「うむ、そうなのじゃ」
「あの子の常ね」
「全くじゃ、それでな」
「あの子の居場所を確かめて欲しいのね」
「貴女の本には書いてあるじゃろ」
「ええ、オズの国のことなら何でも書かれる本だから」
 魔法の力で自然にです。
「当然あの子のこともね」
「そうじゃな、それならな」
「あの子が今何処にいるのか」
「教えてくれるか」
「わかったわ」
 グリンダは電話の向こうで王様に微笑んで答えました。
「それならね」
「今すぐにじゃな」
「確かめるわ」
「うむ、頼む」
「少し待っていてね」 
 こうしてでした、グリンダは一旦電話から離れてでした。その本をチェックしてそれから電話のところに戻って王様にお話しました。
「あの子は今は狐の国にいるわ」
「あの国にか」
「あの国の木陰でぐっすりと寝ているわよ」
「うむ、わかった」
 ここまで聞いてです、王様は頷きました。
「ではすぐに行こうぞ」
「狐の国までね」
「そうしようぞ」
「それはいいけれど」
 グリンダは意気込む王様に言います。
「貴方の国から狐の国に行くと」
「時間がかかるか」
「ええ、そしてその間にね」
「ボタンが何処に行くかわからんな」
「あの子は何時何処に行くかわからないのよ」
 寝ている間にです。
「だからね」
「そうじゃな、てくてくと歩いて行くとな」
「会えないかも知れないわよ」
「全くじゃ」
 その通りとです、王様も頷きました。
「行ってもう何処かに行ったのでは本末転倒じゃ」
「そうでしょ、だからね」
「狐の国にすぐに行く必要があるな」
「さて、どうしたものか」
「すぐにそちらにドラゴンを送るわ」
「移動用のか」
「そうするわね」
 こう王様に申し出るのでした。
「私の宮殿からね」
「悪いのう」
「いいわ、ボタンを見付ける為なら」

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