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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十八話 第三次ティアマト会戦に向けて、準備です!
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近いどよめきが沸き起こった。そう、エル・ファシル。ヤン・ウェンリーが英雄としての登竜門を果たした惑星の名前であるが、その背後には帝国軍に包囲され、住み慣れた故郷を追い出された300万人の人々がいたのである。一時帝国軍に制圧され、シトレ率いる第八艦隊によって解放された直後のエル・ファシル星は帝国軍に荒らされ、惨憺たるものであった。自由惑星同盟は予算を予備費から投じて「エル・ファシル復興財政委員会」を設立し、1年間という短いスパンで驚異的な復興開発を行ったのだった。そのかいあってエル・ファシルは帝国軍侵攻前の姿をほぼ取り戻していた。
 あれから、エル・ファシル星域は一度として失陥せずに同盟によって保持されている。今帝国軍侵攻が起こり、これを放置するのであれば、エル・ファシルは再び帝国軍に制圧されてしまう。他の星々もだ。そのようなことを許すということは、あのエル・ファシル奪還作戦はなんだったのかと、同盟市民に真っ向から問いつめることになる。

 そのようなトリューニヒト演説は、在野を、そして議会を動かし、紆余曲折を経て、最終的に、4個艦隊48,000隻の動員が確定した。




 この報告はアレーナ・フォン・ランディールが構築していた情報網を通じ、すぐにラインハルトとイルーナにもたらされた。

「4個艦隊、48000隻か、数の上では俺たちに不利だな。どう思う?キルヒアイス、イルーナ姉上、アレーナ姉上」

 侵攻する帝国軍の遠征途上において、極低周波端末を利用した電子戦略会議上、ラインハルトは3人に尋ねた。もっともその顔は不敵な笑みがちらと垣間見えていたが。

『ラインハルト、あなたも私たちのことを良く知っているから、包み隠さずいうけれど、私たちの知っている第三次ティアマト会戦はそれぞれ3個艦隊規模の艦隊が戦ったのよ。結果は敢えて言わないけれど。だから、この世界における第三次ティアマト会戦と少し様相が違うのよ。まずこのことを抑えておいて』

 イルーナの言葉に、ラインハルトとキルヒアイスはうなずく。イルーナとアレーナは転生者だということをラインハルトに暴露したうえで、こう取り決めをしていた。自分たちの知っている銀河英雄伝説の世界は、あくまで数ある選択肢の中から派生した世界の一つに過ぎない。よって、確率の話ではないが、全く同じ銀河英雄伝説の世界が、この世界において構築されるはずもない。だから、ラインハルトに話す際には、あくまで自分たちの見聞きした世界は「可能性の一つ」であることを強調して話すようにしよう、というのである。
 その方が、原作に固執して要らぬ火傷をする危険性を回避できる、というわけだ。もっともラインハルトはその話を二人から聞かされたときには、自分から進んでそう言ったのだったが。

『そのうえで、アレーナの伝えてきた敵の
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