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剣士さんとドラクエ[
105話 憐憫2
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あるし、着替えを見られたこともある気がする。

 みんなが汗だくで訓練していて服とかめちゃくちゃにしていた時でもトウカは一糸乱れぬ様子だったからやっぱり貴族なんだなぁって思ってたけど、理由が違ったとは思わなかったよなぁ……。

 ……思い出したら早く取り戻したくなるね。

「おっと失礼。ボクは紳士的にそっぽ向いておくから安心してね」
「……うん」

 なんか立場が逆だった気がするけど今更気にするものか。貴族の令嬢に気を遣わないといけないにしても。姫にするような対応をしたらどんな反応するんだろうな。うう、想像したら真顔で紳士対応される未来しか予想できない。

「あ、ククールもおはよう。さっきククールが夢に出てきたからさっきぶりって感じ」
「あら、どんな夢を見ていたの?」

 さっさと着替えてるうちにゼシカも起きたみたい。僕も話に入ろうとまだイビキをかいているヤンガスを尻目にみんなに向かい合う。

「ククールと手合わせしにピクニックする夢かな!」
「……ッ?!」
「気がついたらドラゴン系の魔物に囲まれてたから撃破する夢に変わってたけど。ククールの背後にドラゴンブッシュだよ、もう守るしかなかった」

 しみじみとトウカは言い、ちゃんと倒したから!とにこにこ笑う。脱力したククールは夢の中でも……とぼそぼそ言う。その点においてはもう仕方がないと諦めておとなしく守られてたらいいと思うんだけど……ククールは後方支援型で、ククールがいなければここまで来れなかったんだからそこまで落ち込まなくても。

 というか最近の僕なんて攻撃はトウカに、回復はククールに、魔法はゼシカに、前衛としての防衛力はヤンガスにそれぞれ負けてて何もできてないし……。

「そ、そうか……」

 なんか、ククールの笑みが痛々しいんだけど。でもこうやって笑い合ってる姿は何の違和感もないってこと、教えてあげた方がいいのかな。ただしお姫様抱っこされてるイメージならククールはされる方。

「あ、私メディさんにお手伝いすることないか聞いてくるね!」

 あ、それ僕も行こうかな。
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