第25話『乱戦』
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いといえるからだ。
「やっぱ文化系の部活がやりやすそうね」
「決まりだな」
副部長が狙おうと決めたのは文化系の部活、すなわち運動をあまり必要としない部活だ。確かにそれなら勝てそうである。
「そういえば部長、ウチの部活は何に部費を使うんですか?」
俺は気になったことを部長に問う。文化系の部活を狙って荒稼ぎしようとするなんて、そこまでお金に困っているのだろうか。部費は多いに越したことはないけども…。
「んなもん…ちょっとしたアレだよ、アレ」
「何ですかアレって…」
部長の意味深な答えに、俺は困惑する。"アレ"って何だよ、めっちゃ気になる!
「そんなことより、あと1分で始まるっすよ」
「「「!!」」」
話が脱線していた俺らは、暁君の一言で引き戻される。
確かに、変更した開始時間は1分後に迫っていた。
「競技時間は2時間でいいのよね?」
「ああ。各自テープで全員を縛り上げてやれ!」
「「了解!」」
部長から渡された、手からはみ出す程の量の拘束テープ。
それを見つめながら俺は、「ついに始まる!」と心踊らせていた。
『ピンポンパンポーン。皆さん、時間になりました。それでは部活戦争スタートです!』
「行くぞお前ら!!」
「「おー!」」
放送が終わると同時に俺らは部室を出て、それぞれが別の方向へと駆けた。
*
「意外と出会わないもんなんだな」
無駄に広い校舎の廊下を、隠れることもせず歩く伸太郎。
彼は、そうやって歩いているのに拘らず、敵との遭遇が無いということに疑問を持っていた。
「教室も使用可だから…奇襲も有り得るな」
彼は横にある教室を見ながら言った。
その窓から中を見る限り、誰も居る気配は無い。
「考えすぎか?」
そう言うと、彼は歩調を緩めることなく歩き続けた。
*
「罰ゲーム何にしよっかな〜?」
魔術室のある階で魔術部部長である終夜は、壁に寄り掛かり先程までずっと考えていたことをまたも考え始めた。
「いや〜アイツはノリノリで俺との賭けを承諾したんだし、何しても文句は言わんだろう」
そう呟いて独りでに納得する終夜。
しかし、その彼に忍び寄る影があった。
「あーでも部活戦争に集中しないと…いやでも…」
奇妙な選択肢に惑う彼。目を瞑り、ウンウンと唸っていた。
それを隙と見たのか、影はゆっくりと迫った。
「いやでも、やっぱり部費が大事だな!」バリッ
「い!?」
バタッ
「ん、まずは一人だな。素人が
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