第一部:ゲート 開けり
プロローグ 2 とある帝国軍団の壊滅
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まれる者。錯乱したほかの弓兵による誤射で死ぬ者etc…、
色々な原因が元で弓兵部隊は次々と死傷し、やがて壊滅状態へと追い込まれた。
無論だが、オークたちと激戦を繰り広げている歩兵部隊も、
騎兵部隊や弓兵部隊を助けようとはした。だが、次々と数が増えていくオークの圧力のせいで救援を出す余裕がなくなり、もたもたしている間にこの2つの部隊が壊滅したので、最悪な事に包囲される事態へと追い込まれていた。前方にはトロルが合流し始めたオークの大軍が存在し、後方や側面などにはワーグに騎乗したオーク部隊が展開している。ロマイヤー将軍の軍団は、「前門の虎後門の狼」という言葉に相応しいピンチとなった。
「これは……、私はどうすれば……」
「閣下!お気を確かに。今すぐここから離れてください。
皇帝陛下にこのことを何としてもお伝えしてもらわなければなりませぬ。ですから早くお逃げを!」
「君たちは一体どうするのだ?私と一緒に逃げるべきだ」
「いいえ、私たちは閣下が逃げる時間を稼ぐためにここに残ります。帝国軍人として何時でも死ぬ覚悟は出来ていますから、閣下は何も心配する必要はありません。なーに、帝国軍の恐ろしさを見せつけてやりますよ。
さぁ、お逃げを」
「……すまない皆、
すまない……」
この生まれてから一度もない余りにも見事な負け戦っぷりに、ロマイヤー将軍の思考は停止して明確な判断を下せるような余力は一切無かった。呆然としていると副官たちがここから逃げるように理詰めで訴えて来るので、彼は泣く泣く僅かな部下を引き連れてここから退避した。
そして残った幕僚たちは彼が逃げ切る時間を稼ぐために残存部隊の陣頭指揮を執り、全滅する最後まで戦いを繰り広げた。兵士たちも彼らの指示によく従い、
オークを約2500体、
トロルを10体殺すことに成功して全滅した。
この戦いの結果、
帝国第4軍団の死傷率は80%にも達し、
文字通り全滅した。
ロマイヤー将軍は生真面目な性格と事務処理の巧みさ、そして派閥に所属せずに政治的中立を保っていたおかげで皇帝やその側近たちから気に入られていたので、幸いにも降格処分は受けなかったが謹慎処分を受けた。
その一方で「帝国」に侵攻を開始したこの謎の軍勢は、自らをこう宣言した。「救世主たる黒王様率いる黒王軍」と。
そしてこうも告げた。「この不合理だらけの世界を滅ぼし、
全てを無に返し、
0へとリセットする。
その為に神々もろとも全ての生命を殺す。それこそが世界の為である」と。
その宣告通り、黒王軍と思われる多くの怪異たちが大陸各地に展開し、亜人や人類など種族関係なく平等に殺戮を開始した。町や近くに
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