第一部:ゲート 開けり
プロローグ 2 とある帝国軍団の壊滅
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戦って相手の陣地で薄い箇所を見つけたらそこを一点突破し、
そのまま退却に移ることだ。しかし、
その場合わざと敵が包囲網へと誘導するために空けている場合があり、包囲殲滅となるケースがある。実際にナポレオンはこのわざと敵を誘導する戦術を得意とし、多くの敵軍を突破させてから包囲に移り殲滅した。
なぜそのような事を帝国軍が考えたのかというと、オークやトロルと比べると人間一人一人のスペックは劣っているので、数でも劣っている帝国軍が奴らと真っ向から戦っても惨敗するのが嫌でも目に見えているからだ。
それならば戦いながらも薄い所から退却する方がまだマシだし、上層部にも勇敢に戦ったと言い訳が出来るので、彼らはこれを選択して戦いに臨んだ。
やがて、謎の軍団は準備が整ったのか再び前進しだし、
オークの長槍部隊を先頭にゆっくりと向かってきた。何やら角笛のような楽器を持ったオークが奏でる音色に合わせて、
長槍部隊はゆっくり列を乱さずに動く壁の様な威圧感を帝国軍に与えながら向かって来る。その後ろにはトロルが手に持つメイスやモーニングスターなど鈍器を握りしめながら、どしどしと大地を踏みしめ前進してくる。
「全軍、構えー!
よいか、奴らを普通のオークやトロル等と思うな!決して慢心せずに、各々の帝国兵士としての責務を果たせ」
『「おぉう!!」』
歩兵部隊の隊長を務める軍内部でそれなりの地位に居る軍人がそう叫ぶと、周りの帝国軍兵士たちもその声に答えて野太い声が響く。不安と恐怖で浮かれた気を引きしめて、ただ目の前の敵に集中する。最前列の2500人の弓兵たちが弓を構え、迫り来る敵軍に向かって攻撃の合図と共に何時でも放てるように準備する。
後方には「怪異使い」という特別な技能を持った技能者によって操られる、この世界のオークやゴブリンなどが消耗品として控えている。
その後ろには投槍を背負い盾と剣で装備した剣兵、槍を構えた槍兵の2種類で構成されるホプリテス(重装歩兵)が約7500人ほど待機し、ここの両翼に騎兵がそれぞれ750騎ずつ待機し、敵の騎兵の突撃や迂回に備えていた。
更にその後ろには投石器やバリスタなど兵器を操作する工兵部隊と、全部隊を指揮する将軍率いる幕僚らが控えていた。
今回は急いで駆け付けたので、こうした移動が遅い兵器とそれを扱う工兵部隊はいない。
そして奴らとの距離が300〜200mぐらいの距離となると、
「放てー!!」
という号令と共に、
最前列に展開する弓兵たちが構えていた矢を一斉に放ち、
一定のエリア内に向けて矢の雨を降らした。
帝国軍の弓兵は敵兵士の体を狙うのではなく、なるべく密集して特定のエリアに向けて矢を放つように訓練されて
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