第一部:ゲート 開けり
プロローグ 2 とある帝国軍団の壊滅
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どまで震えていたのが嘘のように士気は向上し、不届きな連中に対する復讐心に満ち溢れていた。
こうして帝国軍こと帝国第4軍団を率いるロマイヤー将軍指揮下の約1万5千人(補助部隊や後方支援を含める)の部隊は、
迫り来る先頭を行くオークの軍団約1万人を開けた土地で待ちかまえ、伝統的な戦術で攻撃を開始した。その戦術とは、
「金床戦術」として現実でも有名だ。
この戦術は、「ホプリタイ」(重装歩兵)のファランクスを中心に敵を抑え、
両脇または一方から騎兵部隊を突進させ迂回し後方から敵を叩くもので、20世紀の戦いでも馬を戦車に変えて朝鮮戦争などで使われた古典的名戦術の1つだ。
もっと現代風に説明すると、複数兵科を使った戦術の一つで軍を二つの部隊に分け、一方が敵をひきつけているうちにもう一方が背後や側面に回りこみ本隊を包囲、挟撃する戦術。
その役目から敵を引き付ける側は低機動で耐久力のある歩兵などの兵科が選ばれ、背面に回りこむ部隊は騎兵などの機動力の高い兵科が選ばれる。半固定の部隊に敵を引き付け、
そこに機動力のある部隊が打ち付ける様が鍛冶屋の槌と金床に似ていることからこう呼ばれる。一般的にこの戦術を行う側は十分に機動力のある部隊が必要であり、諸兵科連合がうまく機能していることが必要である。
ただし、この戦術は自軍の兵力を分散してしまうという短所もあり、「槌」と「金床」の連携が不十分な場合、兵力集中において勝る敵軍に各個撃破される危険性もある。
古代マケドニア帝国や彼らから学んだローマ帝国、そしてその後継者とも言える帝国軍も好んで使用する戦術で、まず重装歩兵が隊列(ファランクス)を組んで隊列を組んだ敵の歩兵、
特に重装歩兵と突撃し、白兵戦に移行するとともに敵の進行をその場に捕縛する。その間に味方の騎兵が敵の隊列の後方、ないし側面まで迂回しそこから敵に突撃し、敵の隊列を分断、混乱させ敵部隊を壊滅させるのだ。
その準備をいつも通り冷静にし終えた帝国軍は、刻一刻と迫り来るオークの部隊を手ぐすね引いて待っていた。幾ら鎧を身に纏い立派に集団行動を取れていたとしても、所詮は野蛮な生物のオーク。
戦術や知略においては我々人類の方が上だ、それも貴様らと長年戦ってきたので慣れていると少し慢心していた。
しかし・・・・・・
ピタリ
「あれっ?おかしいぞ。オーク共が急に停まった。一体なんでだ?」
「そういえば、先ほどから周囲の偵察に放った偵察部隊が報告しに帰還してこない。本来ならもう帰還しても良い頃なのだが……まさか……」
今までゆっくりとだが着実に進撃していたオークの部隊約1万が自軍の目の前で停止し、動く気配が一切ないので帝国軍は不思議に思った。
何故ならオークという
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